不眠症にはビタミンB12が有効、アサリの味噌汁と納豆の朝食でOK!

睡眠と覚醒のリズムを調整

人間は本来、昼に活動し夜に眠るという生活リズムに合わせ、昼は体温が高くなり、夜は体温が低くなるという一定の体内リズムを持っています。
朝、起きて、夜、眠る仕組みになっている

睡眠のリズムもこの体内時計に従っていますが、体内時計の周期は実際の生活時計の24時問よりもやや長めの、約25時問に設定されています。

しかし、日光などの外的刺激によって、体内時計の周期もリセットされ、24時間に修正されているので、はふだんなんの不都合もなく生活できているわけです。

ところが日常生活の時間帯がずれてくると本来の生活リズムムと活動内容が合わなくなり、体内時計が狂ってしまいます。普通の人が起きるべき時問に起きられず、眠るべき時間に眠れなくなってしまうのです。

これが最近問題になっている「睡眠・覚醒リズム障害」です。時差を頻繁に経験する国際線のパイロットやフライトアテンダント、海外出張の多いビジネスマン、夜型生活の接客業、夜勤のあるナースなどです。
現代人の夜勤シフトはリスクが多い

眠る時間と眠りの深さには密接な関係があります。人間の眠りには、体を休める浅い眠り(レム睡眠)と脳を休める深い眠り(ノンレム睡眠)がありますが、24時前に眠りに就くと、すんなりとノンレム睡眠に入ることができます。

一方、睡眠・覚醒リズム障害の人のように、24時を大幅に過ぎた深夜や明け方にしか寝られない人の場合は、常に浅い質の悪い眠りしか得ることができません。朝、気持ちよく起きられないのは当然でしょう。

ビタミン12は、こうした睡眠・覚醒リズム障害の症状の改善に役立つビタミンです。ビタミンB12 は、人問の睡眠と覚醒のリズムを調整する働きがあり、海外旅行に行ったときなどに悩まされる時差ボケを防ぐのにも役立ちます。

ストレス性の病気には有効

さらに、ビタミンB12は、神経性不眠の改善にも大変有効です。ビタミンB12 は、「神経ビタミン」ともいわれるほど、ストレス性の病気にとても効果があり、専門医も不眠症の治療に用いています。

不眠症には大きく分けて2種類あり、1つは分裂病やうつ痛、ノイローゼなどからくる内因性の不眠で、もう1つが主にストレスが原因で起こる神経性の不眠です。

最近ふえているのは、神経性不眠のほうで、神経質でささいなことを気にする人がかかりやすいといえます。眠れるかどうかばかりを心配し、なんとか眠ろうとする努力が、かえつで脳を覚醒させ、ますます眠れなくなっているのです。

ビタミンB12が神経性不眠に効果があるのは、神経性不眠が自律神経失調症(体の機能を自動的にコントロールする自律神経が正常に働かなくなり、体に不調を来す病気)の1つだからです。

自律神経のエネルギー源は糖質ですが、食べ物から得た糖質をエネルギーに変換するためには、ビタミンB12が欠かせません。ビタミンB12が不足すると、自律神経のバランスが狂ってしまいます。

逆にいえば、ビタミンB12を十分に補給すれば、自律神経のバランスが正常に戻り、快眠が得られるわけです。

ビタミンB12 がたっぷり含まれている食品としては、納豆、アサリ、シジミ、豆腐、イワシ、牛乳、レバー、イカなどがあります。夕食時に納豆を食べるのがおすすめです。

成人の場合、ビタミン12の1日の所要量2.4グラムは、イワシなら4分の1尾、ノリなら1枚、アサリなら2個で補えます。もっとも、不眠解消を目指すなら、より多量にビタミン12を摂取する必要があります。

不眠に悩む人は朝食を抜く人が多いのですが、悪循環です。なぜなら、朝、脳を覚醒させる最良の方法は、朝食をきちんと食べて、体温を上げることだからです。

考えてみれば、納豆ご飯にアサリのみそ汁、イワシの丸干しなどは、日本人が昔から好んで食べてきた朝食のメニューです。ということは、昔ながらの朝食を毎日しっかりと食べていれば、自然にビタミンB12をじゅうぶんに摂取できて、神経性の不眠にも、睡眠・覚醒リズム障害による不眠にも、悩まされずに済むということです。

また、1日3食の中で、特に「朝食にビタミンB12を含む食品を」というのにも理由があります。朝からビタミン‰を多く含む食品を食べておくことで、ビタミンB12が日中有効に働いて、体内時計のリズムが整えられ、夜、速やかに睡眠に入れるようになるからです。不眠の悩みを抱えているかたは、ビタミンB12を積極的に摂るように食習慣を変えてみましょう。

貧血気味の人は特にビタミンB12が不足していますから睡眠にも影響がでてもおかしくありません。

爽快な目覚めを迎えるために今日から実践したい7つのことなども一緒に実践するとより効果的です。

ビタミンB1をビタミン剤と摂取するとB群も一緒に排泄されてしまう

食べ物と健康といえば、これまではとかく栄養素のみが重視されてきた傾向が強くあります。もちろん、必要なだけの栄養素は満たさなければならないけれど、食生活というのは、私たちの生きている環境すべてをひっくるめて考えるべきです。

環境が違えば、採れる食べものの種類も質も違います。土が違えば栄養素も変わってきます。食べたあとの消化吸収だってそれぞれに個体差があるし、年齢によっても性別によっても変わってきます。同じ蛋白質でも、充分に吸収できればその人にとっては栄養素になりますけれど、吸収できなければ腸のなかで異常発酵して、発ガン物質になります。

食べたら運動もしなければならない。取り入れたエネルギーを完全に燃焼させることが肥満を防ぎ、有害物質が体内に蓄積されるのを防ぎますから。東洋医学でいう、陰と陽のバランスも大切です。栄養素の面でも、ストレス時代といわれる現代では、苦に比べ、ビタミンとミネラルの消耗が激しくなっていますので、三大栄養素より、こうしたものをもっととる必要があります。

ただ、錠剤では効果はありません。それどころかとり過ぎて、過剰害を起こしかねません。工たとえばビタミンB群のなかのB1を、錠剤でとったとしましょう。そうすると余分なBlは尿のなかに排出されますが、問題なのは、そのときB2、B6、B12などほかのビタミンB 群も、たとえ必要量を満たしていなくても、一緒に体外に出てしまうのです。

亜鉛を吸収するにはビタミンB6が必要ですから、B6の不足している人が亜鉛剤をいくら飲んでも何の効果もありません。鉄剤も同じです。
鉄分は胃酸によって、イオン化されて初めて体内に吸収されます。無機の鉄は皮膚に沈着して色を黒くするばかりか、胃を荒らす原因ともなります。医食同源という言葉がありますが、やはり食事からでなければ、バランスのとれた栄養はとれないんですね。自然の摂理というのは面白いもので、あるミネラルを吸収するために必要なビタミンは、全部同じ食品のなかに入っています。

老化予防に必須のビタミンE

最近は、老化予防のビタミンとして定着したビタミンEですが、日常的に積極的にとりたいビタミンです。では、一体、ビタミンEは体の中でどのように働くのでしょうか?まず、第一のはたらきとして体の細胞のなかの脂質が酸化するのを防ぐことにより、結果として老化を防ぎます。

加齢にしたがって、体の細胞を包んでいる細胞膜をつくるコレステロールやリン脂質などの脂分が酸化して過酸化脂質という物質に変化します。これは、てんぶらを何度もあげた後のいわゆる疲れた油のようなものと考えられます。実はこの過酸化脂質という物質がくせ者です。

過酸化脂質は一か所にできはじめると、まるでおふろのタイルのかびのように次々と連鎖的に細胞間に広まります。この過酸化脂質への変化が血管壁細胞で起これば、血管の弾力が失われ動脈硬化になる可能性もでてくるし、血液中の細胞で起これば、血液がねばねばして血栓ができやすくなります。

がん細胞における過酸化脂質の量は、健康な細胞よりも2~3倍も多いことが確認されています。がんの原因としてもこの過酸化脂質はいま、注目されています。

ビタミンE には、これらの過酸化脂質が増えるのを抑制するという作用があります。つまり、ビタミンEには、体内の老化を防止して血栓やがんを防ぐというはたらきが期待できるということです。ネズミを用いた実験によると、ビタミンEを投与したネズミのほうが、投与しなかったネズミよりも長生きでした。現在では化粧品にも配合されており、しみ、しわなどを防ぐビタミンとしても注目を集めています。

そのほかに、血管を拡張して、血液の循環をよくする作用もあるので、冷え性やしもやけ、痔などにも効果があります。しかし、ビタミンEは人間の体ではつくれません。また、ビタミンE¥を豊富に含む食品も限られています。それらの食品をうまく利用して上手にビタミンEを効率よく摂取したいものです。

ビタミンEを豊富に含む食品というのは、豆腐や納豆などの大豆食品、イワシ、アユ、サンマ、カツオ、ウナギなどの魚、ゴマ油をはじめとする植物油、ホウレン草やカボチャ、ノリなどの野菜、海藻類、そのほかには卵、小麦胚芽などであります。
ビタミンEを多く含む食品はこちらです。

これらの食品を上手に組み合わせてとれば、ビタミンE をとりながらほかの栄養素もバランスよくとることができます。たとえば、ホウレン草をゴマ油で妙めて卵とじにするなど、料理を工夫すればいくらでもおいしくとることができます。

また、抗酸化性の水溶性のビタミンCと一緒にとれば、その効果は倍増します。しかし、ビタミンE が老化を防ぐからといって大量にとることは好ましくない。薬局等でビタミン剤として売られてはいるが、これらのビタミン剤を多用すると、脂溶性のものなので体内にたまり過ぎてしまう危険性もあります。尚、不足する際の欠乏症の心配は、

  • 過酸化脂肪の生成(リボフスチンを作りシミのもとになる)
  • 胎児の成長不全、生殖機能の低下
  • 筋肉の萎縮
  • 生体の生理活性の弱化、感染源に弱くなる

などがあります。

ビタミンは、あくまでも食品からの摂取が基本です。ビタミン剤などを用いて1日に1グラム以上とると、今度は免疫不全症というおそろしい病気になってしまうのです。あくまでも食品から上手に摂取していれば、老化を防止するので、積極的に摂取するようにしたいビタミンの1つです。

骨の健康に必要なビタミン

カルシウムのはたらきを生かすビタミンD

ちょっとしたことで骨折してしまう子供たちが現代では多く見られます。昔の子供と比べ骨が弱くなっている原因はいろいろ考えられますが、やはり直接の原因は、骨の原料であるカルシウムが不足していることでしょう。

臓器などと比べるとあまり感じないかもしれませんが、骨は生きています。成長期の子供はもちろんですが、私たちの体の中では、年齢を重ねても常に骨がつくられ同時に分解もされていて、血液中に吸収されているのです。

骨はカルシウムとリンでできています。骨の細胞がつくり出したタンパク質の筋(コラーゲン)に、血液中のカルシウムイオンとリン酸イオンが結合して沈着し、骨になります。

食事をして体内に入ったカルシウムは、胃液の酸で溶けて小腸の壁から吸収されるのですが、このときにビタミンDが無いとうまく吸収されません。

また、カルシウムとリンは、ともに歯の主成分です。骨や歯の形成には、ビタミンDのほかにもホルモンやタンパク質が重要なはたらきをしているので、カルシウム以外の栄養素もバランス良く摂ったほうが良いです。

骨粗しょう症を予防する食べもの

40歳を過ぎ更年期にさしかかった女性は、カルシウムの不足から骨が弱くなったりもろくなったりして、転倒したときに骨折をしやすくなります。これを「骨粗しょう症」といいます。こういった症状は50代くらいから始まることが多いといわれていますが、女性は、男性の何倍も骨粗しょう症が起こりやすいのです。

しかも、日本人女性は欧米人と比べても2倍近く骨粗しょう症を起こしやすいといいます。それは、日本人のカルシウムの摂取量が少ないためです。飲料水をみても、酸性の土壌で覆われている日本の水のほとんどがカルシウムの含有量が少ない軟水です。ですから、日常的にこの軟水を飲んでいる日本人の場合、欧米人よりもカルシウム不足が起こりやすいということになります。

骨粗しょう症では、まるで軽石のように骨がスカスカになり、骨密度が少なくなってしまいます。こういった現象が女性に多いのはなぜかというと、それには理由があるのです。

女性が妊娠して子供を産むために必要なエストロゲンという卵巣ホルモンは、妊娠のためだけでなく、カルシウムの腸間吸収をとても良くするはたらきがあります。ところが、更年期となってエストロゲンの分泌が減少傾向になると、カルシウムの吸収は半分以下まで減ってしまいます。さらに、外からとり入れるカルシウムの量が不足してくると、副甲状腺ホルモンのはたらきが活発になって、骨からカルシウムを溶かしだし、不足分を補おうとするので、ますます骨が弱くなってしまうのです。

骨粗しょう症を防ぐためには、やはりカルシウムを多めに摂取することです。そして、ビタミンDの摂取も大切になります。

カルシウムが多く含まれている食品には、小魚、大豆製品、乳製品、海藻などがあります。カルシウムは、中年以降に危険が高まる動脈硬化の予防にも役立ちます。

ビタミンDが含まれている食品は、干し椎茸、ナッツ類、レバー類、カツオやマグロ、イワシなどの血合いの部分、卵黄などです。

ダイエットを成功させたい人のビタミン

朝は時間ギリギリまで寝ている、昼は仕事に追われ時間がない、そんな生活で朝食と昼食はほとんど食べられず、そのぶん、夕食をドカンと食べてしまう、という人はいないでしょうか。しかも、それだけでは満足できずに、寝る前になってお菓子を食べてしまったりしていませんか?

これは、典型的な夜食症候群で、肥満は夜つくられるというメカニズムにぴったり当てはまります。

また、朝食をぬく人が太りやすいのはどうしてかというと、それは、前日の夜の食事から次の食事までの時間がとても長く空くからです。その時間が長くなればなるほど、体は防衛本能がはたらき、食べたものの栄養をしっかり取り込もうと頑張るわけです。すると、脂肪の合成にかかわる酵素が活性化するため、皮下脂肪がたくさんついてしまうことになります。

不規則な時間の食事や朝食をぬくことは、肥満になりやすいということを覚えておきましょう。

カロリーを抑えた食事の危険さ

ダイエットにはさまざまな方法がありますが、カロリーダイエットという言葉を聞いたことがあるでしょうか。たくさん食べると太るなら食べなければ良い、つまりダイエットするなら摂取カロリーを抑えれば良い、と考えがちです。摂取するカロリーのほうが消費するカロリーよりも少なければ体重が減る、というのは間違いではありません。

しかし、例えば、1,000キロカロリー以下くらいの極端にカロリーを抑えた食事では、タンパク質のほか、ビタミンやミネラルといった栄養素が不足します。また、普通の食事をしていても不足しがちな鉄分や亜鉛、カルシウムなどは特に不足しがちです。

ビタミンD、カルシウム、鉄分、亜鉛などの微量栄養素は、ほぼ、赤身の肉や魚にしか含まれていないのですが、こういった栄養素が極端に不足してしまうと、体は疲労感が著しくなり、何をするにもやる気が出ないようになってしまいます。そうしてたまったストレスが、ドカ食いにつながり、ダイエットが失敗する可能性があるのです。

玄米食はダイエットに効果的

私たち日本人の主食といえば、ごはん。ちょっと塩気のあるおかずやお味噌汁と一緒に食べる真っ白なごはんは、ほのかに甘味を感じ、とてもおいしいものです。

このごはんがおいしいのは、お米のぬかや胚芽を取り去っているからです。しかし、お米の栄養というのは、実はほとんどがこの取り去られた部分に集中して含まれていて、白米の栄養はほとんどがデンプンです。

栄養の面から考えれば、精米されていないお米、玄米が一番でしょう。玄米には、糖質や脂質、鉄分、ビタミンB1ビタミンB2ビタミンEなどが多く含まれていて、なかでも現代人に不足しがちだといわれている食物繊維とビタミンB1が豊富に含まれているのです。

そして、玄米のぬかの成分には、腸内のビフィズス菌が繁殖しやすいように整えて安定させるはたらきがあります。これが上手く行われていると、ビタミンやミネラルの吸収が良くなるし、さらには、腸内でビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6などを合成できます。

ダイエット効果の面から見てみると、玄米のごはんだと白米のごはんよりもよく噛んで食べることになるので、脳の満腹中枢が刺激を受けて、たくさん食べなくても満足感が得られ、食べ過ぎを抑えることができます。

血液と体の健康の関係

朝食をきちんと食べて貧血を改善する

毎朝の通勤や通学途中の立っているときに、突然めまいを起こしたり、冷や汗をかいたりといった、貧血の症状が起きたことはないでしょうか。一般的には女性に多いものですが、体格の良い男性にも貧血は見られます。

貧血にはいくつかの病型がありますが、最も多いとされているのが、鉄分不足のために起こる鉄欠乏性貧血です。鉄分が不足する原因には、著しく偏った食事やインスタント食品を好む傾向、外食が多い、野菜が嫌いなどの理由があげられます。それと、朝食を食べていかない人がけっこういるかと思いますが、朝、昼、夕の一日三食をとることが健康のためには理想で、そのうち一食を食べないというのは、栄養摂取の機会を逃していることになります。

例えば、外食の多い一人暮らしの人の食事では、昼食と夕食を合わせても、朝食を抜いた分の栄養をカバーできていないと思われます。外食で選ばれるメニューのポイントといえば、ラーメンやカレーライスなど、すぐに出てきてパッと食べられるものが多いでしょう。こういった食事の内容だと、鉄分だけでなく、ビタミンやミネラルなどほかの栄養素も不足することになりかねません。

私たちの体内にある鉄の大半は赤血球の中に含まれています。ほかに、肝臓やすい臓、骨髄などに貯蔵されていたり、筋肉組織の中に含まれたりしています。赤血球のヘモグロビンの中にある鉄のはたらきは酸素を運ぶことで、肺で酸素と結合し、各組織へ送られていきます。

食事から摂取する鉄分が不足すると、蓄えられている貯蔵鉄がだんだん失われていきます。この段階では、まだ赤血球の鉄分が不足しているわけではありませんが、さらに鉄分の不足が進むと、新たに作られる赤血球の数が減ったり、小さくなったりします。こうなると、酸素が不足し運搬力が落ちて、細胞にじゅうぶんに酸素を補給できなくなるので、動悸、息切れ、立ちくらみなどの症状があらわれるのです。

若さを保つには毛細血管を発達させること

髪の毛のおよそ100分の1の太さしかないという極細い血管が毛細血管ですが、私たちの皮膚の表面には、この毛細血管が網の目のように張りめぐらされています。毛細血管のネットワークを通して、細胞のひとつひとつに栄養が運ばれたり、老廃物が運び去られていきます。

若々しくて美しい肌というのは、毛細血管がよく発達している状態です。網の目が細かいほど隅々にまで栄養が行きわたり、新陳代謝が活発に行われ、新たな細胞が次々に生まれてきます。また、皮膚の延長である髪や爪も、同じように毛細血管が発達しているほど美しいのです。つまり、毛細血管が目詰まりを起こし衰えると、皮膚は弾力を失い、くすみが出て、老廃物がたまり、シミができて、老化するということになります。

毛細血管を詰まらせてしまう原因のひとつには「便秘」があります。便秘が長く続くと腸の壁に宿便がくっついてしまい、それがミネラルの吸収を妨げます。貧血も毛細血管が衰える要因なのですが、鉄欠乏性貧血の人がどんなに食事で鉄分を摂取しても、腸での吸収が悪いのでは意味がありません。さらに悪いことに、本来なら便として体外へ出ていく老廃物が腸の中に長く留まって、ガスとして血液中に溶け込んでしまうのです。腸と肌とはこうした深い関係にあります。

腸をきれいにしておくには、野菜や海藻などの食物繊維やヨーグルトのビフィズス菌が有効となります。ただ、肌の老化防止を考えるなら、ひとつの細胞にはあらゆる栄養が含まれているので、さまざまな栄養素をバランス良く、過不足なく摂取することが大切です。特に微量ミネラルの摂取については、鉄分の吸収のためにはビタミンCが必要で、亜鉛の吸収にはビタミンBが効果的というように、いろいろな要素が噛み合って、効率良く体に吸収されます。

ストレスがかかっている人に必要なビタミン

栄養をエネルギーに変えるビタミンB1

精神のビタミンともいわれるビタミンB1は、情緒の安定や集中力、学習能力とも深いかかわりがあります。

ビタミンB1はご飯やパンなどの炭水化物をエネルギーにつくりかえる重要なはたらきをしているので、不足すると当然これはうまくいきません。それだけでなく、燃焼したあとに残ったゴミが体の細胞にたまっていってしまいます。例えば、肩に乳酸がたまると肩コリとなるし、足にたまるとむくみが起きてだるくなります。そして、さらにビタミンB1が不足した状態になると、ストレスととてもかかわりの強い肝臓、副腎、心臓といった臓器に貯蔵されているビタミンB1が奪われ、エネルギーづくりが強行されます。

こうした状態が続くと、ちょっとしたストレスにもうまく対処することができないようになり、何かのきっかけで暴力や自殺などのエスカレートした行動をとる可能性も出てきます。

脳に必要なビタミンB群

ストレスがたまっていると、些細な事が気になって、勉強をしていても頭に入らないことがあるでしょう。何か新しい事を学習して理解したり、正しい判断をするエネルギーというのは、大脳に運ばれてきたブドウ糖が、ビタミンB1に助けられてエネルギーにつくりかえられ起こるものです。ビタミンB1はこうした役割も果たしているのですが、不足が続けば脳の中にも乳酸はたまっていきます。

現代人は食生活の乱れから、集中力が続かない、イライラしやすい、落ち着きがない、といった状態にあるといえます。こうしたことも、普段摂取している栄養と大きく関係しているのです。

脳への栄養補給は、活動に応じて血管が拡張し、その部分だけに血液がたくさん流れるようなしくみになっています。ブドウ糖は、脳の中でも完全燃焼してエネルギーに変わる必要があります。そのためには、ビタミンB1、ビタミンB2ビタミンB6ビタミンB12葉酸、ナイアシンなど、さまざまなビタミンB群がじゅうぶんに無いと、脳に蓄積される分は消耗していきます。

ストレスに対抗するビタミンC

血管の浄化やコレステロールの新陳代謝を促進するのは、ビタミンCのはたらきです。コレステロールを体外へ排出するためには、コレステロールから胆汁酸をつくり、それを腸へと排出していかなければなりません。そして、胆汁酸をつくるためにはビタミンCが必要です。ですからビタミンCが不足すると、血液が肝臓を通るときに、正常にコレステロールを血液から分離できなくなって、血液中のコレステロールが下がらなくなってしまいます。また、胆汁の中にコレステロールが排出されたとしても、完全に溶けきらずに、胆石の原因となります。

ストレスがかかったとき、血圧やコレステロールが上昇するということは、副腎皮質ホルモンを大量に生産しなればならないということで、ストックされているビタミンCが使い果たされてしまいます。そのため、コレステロールの排出のほうにまでビタミンCがまわらなくなった状態なのです。

ストレスがかかっているときにこそ、ビタミンCをたくさん摂って、副腎皮質ホルモンをたくさんつくり、コレステロールが上がらないようにすることが大切です。副腎というのは腎臓の上に位置する小さな器官で、ストレスを受けると、副腎皮質ホルモンやアドレナリンを分泌してストレスに対抗します。副腎皮質ホルモンには、糖質や脂質、タンパク質の代謝を促してエネルギーをつくったり、炎症を抑えるはたらきがありますが、ビタミンCは、こういった作用がある副腎皮質ホルモンの材料となっています。そして、必要なときにすぐに合成できるように、副腎にいつも大量にストックがあるのです。

私たちは、精神的なストレスのほか、風邪やさまざまな病気にもかかるので、ビタミンCを多めに摂取することを心がけていたいものです。

お酒をたくさん飲む人の肝臓をいたわるビタミン

お酒を飲み過ぎると栄養不足になる

人の体の中にお酒が入ると、アルコール分が食べものの中の栄養素を攻撃して栄養のバランスを狂わせ、栄養障害を引き起こします。しかも、それが長時間続く場合には、栄養失調につながってしまうので注意が必要です。その結果、神経性の中毒精神病、いわゆるアルコール中毒となります。そして、よく起こる病気には心筋梗塞や脳卒中があげられます。

30代・40代の女性に起こる、疲れがとれない、イライラする、よく眠れないなどといった症状で、病気がないのに何となく体調が悪い状態の不定愁訴(ふていしゅうそ)の原因のひとつは、砂糖の摂り過ぎから起こるビタミンB群の不足だと考えられていますが、30代・40代の男性に多いアルコールの飲み過ぎも、同じようにビタミンB群の欠乏症を招きます。

健康にまったく影響を与えない飲酒量は一日に一合から二合で、酒飲みの人が聞けば笑ってしまうような少量です。アルコールは、胃から急速に吸収されると血液を介して全身の臓器へと運ばれ、そのほとんどは肝臓でアルコール脱水酵素の働きによって分解され、アセトアルデヒドという有害な物質になります。これが、頭痛や嘔吐など二日酔いの原因となるのです。

アルコールが分解されるためには、ナイアシンというビタミンB群の一種が必要となりますから、普段からビタミンB群が多く含まれる食品群を意識して摂ることが大切になります。

また、低血糖も、アルコールが引き起こす恐い状態です。アルコールは分子量がとても小さいため胃から吸収されるのが速いのですが、吸収されたアルコールは血液中に一時的にぐんっと出てきて、いきなり低血糖になってしまいます。ちなみに、これは砂糖を食べた場合も同じです。血糖値が50ミリグラム以上になると強い空腹感に襲われ、精神的にイライラします。キャンディーなど手軽なもので空腹を満たすわけですが、これがお酒の場合だと、お酒の後のラーメンやお茶漬けといったものになります。これらの食事には、ビタミンやミネラルがほとんど含まれていないのです。

ビタミンB1の不足でアルコール性心筋症が起こる

お酒の影響は心臓にも及びます。飲酒の量が多くなることによって、心臓の筋肉のたんぱく合成能力が削がれます。つまり、心臓の筋肉が作り変えられにくくなり、ダメージを受けやすくなります。また、ビタミンB群、特にビタミンB1が代謝のために大量に消費されます。心臓の筋肉に不足するとけいれんを起こしやすくなり、これがアルコール性心筋症の原因となります。

お酒のつまみは低脂肪のものにする

アルコールの代謝は、砂糖やでんぷん質の食物と同じ性質です。お酒を飲んだら、その分ほかの食べものを減らすようにすればエネルギー代謝の収支は合うのですが、実際にはお酒が食欲の増進につながり、カロリーを多くとってしまうことになります。そして、脂肪のついた体になってしまうのです。

肥満防止につながるつまみというと、まず油っこいものは避けたいところです。例えば天ぷらなどは、カロリーが高いだけでなく高脂肪なので、飲酒時の肝臓に大きな負担になります。ですから、低脂肪で、できれば、高たんぱく・高ビタミンであることが理想です。野菜のほか、豆腐や納豆など大豆を使った料理がおすすめです。白身魚や鶏肉も脂肪が少ないのでよいでしょう。

休肝日をつくる

アルコールは肝臓のはたらきによって燃焼します。このはたらきはアルコールを摂取してから12時間経った頃がピークとなり、アルコールはこの時点で酢酸を経て中性脂肪となって、肝臓にたまっていきます。

一度蓄積されてしまった中性脂肪が肝臓から消失するのは、さらに12時間後です。ですから、毎日アルコールを摂取している場合、たまった脂肪が無くならないうちに次から次へと脂肪がたまっていくことになり、脂肪肝になります。これを防ぐには、お酒を飲まない日をつくって肝臓を休ませてあげなくてはなりません。肝臓のはたらきが悪いと、太るばかりか動脈硬化を引き起こしやすくもなります。

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ビタミン剤についての基礎知識と活用方法

食品のビタミンとビタミン剤は何が違う?

食品に含まれているビタミンも、ビタミン剤に含まれているビタミンも、それ自体を見ればほとんど差違はありません。
化学的に分析しても、同じ物質であることが証明されます。ビタミン自体の効果に違いはないのです(ビタミンEについては該当しません。)。けれども、食品を取るときには、そのビタミンだけを取るわけではありません。
同時にいくつもの種類のビタミンやミネラルを取るので相乗効果が期待でき、実際問題として、そのビタミンの効果も、食品中のビタミンのほうが強いと考えられるのです。たとえば、豚のレバーを食べると、ビタミンA をはじめ、B1、B2、C もいっしょに取ることになります。単にAだけを取るより、Aの効果をアップさせます。しかし、食品中のビタミンは、保存や調理などによって失われる量がどのくらいかわかりにくい、ということがあります。ビタミン剤は、そうした点をうまく補っています。
薬品か食品かは、結局、利用する人しだいですが、どちらにしても、次の3点を守るように注意します。

  1. 表示を確認して、成分や含有量を知っておく。
  2. 信頼できるメーカーのものを、信頼できる店で買う
  3. できれば、薬剤師や医師など専門家に相談して選ぶ

化学名の表示があるものも

ビタミンC剤の成分表示に「アスコルビン酸」とあったり、E剤に「α-トコフェロール」 とあったりすることがあります。
アスコルビン酸もトコフェロールも、それぞれビタミンCとビタミンEの化学名です。ビタミンには、A 、C などという言い方のほかに化学名があります。
ビタミンの発見当初は、とりあえずアルファベットで名前をつけておき、後に、組成や働きが解明されてから化学名がつけられたものがほとんどのために、こういう形になっています。
まぎらわしいのですが、ビタミンA 、Cなどの呼び方が通称、化学名が本名と考えてください。本書では、特別な必要のないかぎり通称を用いています。通称と本名以下のとおりです。。成分表示などで疑問な点があったときなどに参考にするといいでしょう。

  • ビタミンA…レチノール
  • ビタミンB1…サイアミン
  • ビタミンB2…リボフラピン
  • テキスト
  • ニコチン酸…ナイアシン
  • ビタミンB6…ピリドキシン
  • ビタミンB12…コバラミン
  • 葉酸…プテロイルグルタミン酸
  • ビタミンC…アスコルビン酸
  • ビタミンE…トコフェロール
  • ビタミンK…フィロキノン

ビタミンE剤には〝「天然型」などの表示があることがあります。トコフェロールには、α、β 、γ、Σなどがあって、そのうち、人間に対して最も効果が高いのはα・トコフェロールです。市販のビタミン剤は、ほとんどがαトコフェロールですが、製法から、天然、天然型、合成の三3つに大別されます。
天然とは、食物、特に植物油から抽出したものです。ただ、ごく少量しか抽出できないので価格が非常に高くなります。天然型とは、天然のβ体やγ体に化学的に手を加えて、α型と同じょうな物質につくりかえたものです。天然ものよりは安くなります。合成とは、石油などを原料につくったものです。
効果の点からいうと、天然、天然型、合成の順で低くなります。
価格も、同様にこの順で安くなります。表示を見ると、天然と天然型はd-αトコフェロール、合成はdl-α-トコフェロールと表示されているので、その区別ははっきりとわかります。したがって、ビタミンE剤は、d-α一トコフェロールの含有量が多いものほど効果的ということができます。
せっかくビタミン剤でビタミンEを摂取するのでしたらこうした点を考慮するとより効率的に摂取ができます。

調理・保存方法を工夫してビタミンをもっと摂る

野菜はビタミンCの損失が意外にも多い

野菜は、ビタミンが比較的多量に含まれている食品ですが、調理にょっては、水溶性のビタミンは大幅に失われることに注意しましょう。
特に、ゆでたり、煮たりすることは、ビタミンを大きく失うことを頭に入れておいてください。
たとえば、ほうれんそうのカロチンはゆでるのが損失率が最も大きく、10〜25% も失われ、ビタミンC は32~84% も失われます。
水溶性のビタミンが損失することが多いのです。じゃがいものビタミンC については、次のような報告もあります。
皮をむかずに、丸のままゆでたときの100g中のビタミンCの含有量を調べたところ、生では5,4mgあったのが、加熱後、20分で4mgに減少、60分後には2,5mg、135後には0.9mgになったということでした。つまり、加熱するほど、急激にビタミンCは減少していくのです。
じゃがいもを丸のままゆでた結果でしたが、もし小さく切って同じ実験をすると、より急速にビタミンC は失われます。電子レンジを使ってもビタミンC の減少は避けられませんが、調理時間が短いだけ減少率は少なくてすみます。

肉類のビタミンB1は調理時間により50%以上も減少する

肉類によって補給するビタミンは、主としてレバーによるビタミンA 、普通の肉によるビタミンB 群です。ビタミンA は熱に強く、水に溶け出すこともないので、調理の際の損失はほとんどないと考えてよいでしょう。
ただし、ビタミンB群は、種類によって大量に損失するものがあります。B1は熱に弱く、水に溶けやすい、B2は熱や酸に強く、水に少し溶ける、B6とB12 は熱に強く水にも溶けにくいという性質を持っています。それぞれの性質を考えると、調理で最も失われやすいのはB1で、50% 以上が失われることがわかります。この損失量は、調理法を変えてもあまり変わりません。

魚は煮汁も含めるとB群の損失はわずか

魚類には、ビタミンDを多量に含む食品がいくつもあります。ビタミンDは、水に溶けず熱にも強いので、調理による損失はほとんどありません。
注意したいのは、魚類でビタミンB群を取ろうとするときです。たとえば、タイに含まれているビタミンB1は、15分問いためると25% 、長時間煮ると40~60% 、10分間蒸すと46% も減少します。ニコチン酸も同じように減少しますが、これは魚肉だけを見た場合のことであって、煮汁をも含めて考えると、ほとんど減少しないと考えてよいでしょう。
クジラ、サバ、アジ、イワシは、まったく減少しません。料理する際には、この点を考えた工夫が必要です。

保存期間が長くなるとビタミンの損失も大きい

値段が安いときに大量に買っておいて、生のサラダでビタミンを補給するなどの方法は、 一見すると一石二鳥のこの考え方には、重大なミスがあります。
サラダでは一度に大量に食べることができないので、長期間保存することになること。これで、明らかにビタミンは減少してしまいます。
保存しているうちにビタミン類が減少するのは、ビタミンが酸素と結合して変質(酸化) するためです。酸化したビタミンは、そのビタミンが本来持っている効力を失います。
ビタミンの中で特に酸化しやすい性質を持っているのは、ビタミンC です。一例として、キャベツを丸ごと保存した場合に、ビタミンCがどのくらい減少するかを調べた結果によると、室温で保存すると、およそ2週間で約50% が失われてしまいます。より低い温度で保存したとしても日数がたつほど減少していくことは確かで、ただ減少率がゆるいカープを描くだけです。野菜を丸ごとではなく、小さく切って保存した場合には、空気(酸素) に触れる面が大きくなるので、丸ごとの保存に比べると、ビタミンC はより急速に失われます。

冷凍ではビタミンは減少

食品の保存に便利な冷凍にすると、ビタミンの減少率は少しは抑えられるでしょうか?
たしかに低い温度ほどビタミンは保たれます。冷凍業者は、10~15分聞くらいの短時間で食品の中心温度がマイナス60度以下になるほど急速な冷凍を行うので、ビタミンの減少率はさらに低くなります。
このような差ができるのは、食品が氷点を通過するのに要する時間が違うからです。食品が氷点を通過する時間が長いと、食品中の水分が凍って大きな結晶になるため、細胞膜が破れてしまい、解凍の際にビタミンが流れ出てしまうからです。家庭の冷凍庫は、庫内の温度がせいぜいマイナス20度にしか下がらず、食品の温度がマイナス20度になるまでには1時間以上かかります。
ですから、解凍時のビタミンの流失は、生のまま冷凍するかぎり避けることはできません。
これを防ぐには、調理か半調理の状態にして冷凍することです。こうすれば細胞膜がやわらかくなるので、凍るときに破れずにすみます。食品を大きなかたまりのままではなく、小分けにして冷凍する、調理した食品は完全に冷ましてから冷凍するなどのくふうも必要です。食品が氷点を通過する時間が短くなります。