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ビタミンを無駄なく少しでも効率よく摂取するための知識

ビタミンAは植物油で炒める

ビタミンA は、レチノールとカロチンに分かれます。レチノールは、ビタミンA の化学名ですから、いわばビタミンA そのもの。アユやウナギ、レバーに含まれていて、食べればそのまま吸収されます。
一方のカロチンは、ビタミンA の原料になる物質で、ほうれんそうやにんじん、植物の葉の葉緑体に多量に含まれています。
レチノールに比べると効力が低く、油に溶けた状態で取らないと、吸収率がいちじるしく低下します。
油に溶けていれば、小腸から吸収されてレチノールに変化します。こう考えてくると、よくいわれる「ほうれんそうやにんじんを食べればAが取れる」は間違いではありませんが、正確にいえば、「ほうれんそうやにんじんは、油といっしょに食べればビタミンAが取れる」になります。
でいためた場合と、そうでない場合とでは吸収率が大きく異なります。たとえば、にんじんに含まれているカロチンの吸収率は、生だと8% ですが、煮ると30% 、油いためやバター煮、揚げ物にすると50~70% にまで上がります。
煮るだけで吸収率が上がるのは、加熱によって細胞膜が壊れ、カロチンが出てくるためです。加熱によりカロチンも壊れますが、その程度は10% とわずかです。細胞膜が壊れてカロチンが出てくる割合のほうが大きいので、問題になりません。
ただし、いくら油に溶けた状態といっても、必ずしも油いためや揚げ物でなくともよいのです。胃の中でカロチンと油がいっしょになり、カロチンが油に溶けた状態になることがかんじんですから、にんじんやほうれんそうと、油のある食品やおかずを一度に食べても吸収率はよくなります。
このときに使う油にも健康増進のための気づかいをします。できればコーン油や綿実油、大豆油などの植物油を使うことをお勧めします。
植物油にはビタミンE がたっぶり含まれているので、ビタミンA が酸化されるのを防いでくれるからです。

ビタミンA を十分に取るには、以上のほかに良質のタンパク質を取ることも大切です。体内に入ったビタミンA は、小腸で吸収された後、血液中に入ってレチノール結合タンパク という物質と結合して肝臓まで運ばれます。
このうちの一部は肝臓に蓄えられ、、大部分は再びRBPと結合して血液中に入り、ビタミンA を必要とする組織に運ばれます。
RBPは膵臓でつくられる特殊なタンパク質です。もし、Aを十分に取っていてもRBPが不足していれば、A は全身に運ばれず、A不足になるのですから、RBPの原料となる良質のタンパク質を十分摂取することが必要なのです。
ついでにつけ加えれば、RBPの「製造工場」である肝臓のコンディションをよい状態に保つことも、ビタミンA摂取の基本といえます。

ビタミンB群は素速く洗い、サッと煮る

ビタミンB群は水溶性のビタミンですから、ビタミンC摂取の際と同ぜような注意が必要です。
ビタミンB群補給の最も重要なポイントは、天然の総合B剤やレバーを取ること、これにっきます。「においがいやで」という人は、調理を工夫をして、なんとかして食べられるようにしてほしいと思います。
B群のビタミンのうち注意して摂取しなくてはならないのは、水に溶けやすいうえに熱に弱いB1です。損失を最小限に抑えるために加熱時間もなるべく短縮します。
加熱後、水に浸さなければならないものも、浸す時間をできるだけ短くするのがポイントです。
ビタミンB 群を取るために、七分づき米、胚芽米、強化米などを使う場合には、米をなるべく洗わないこと。理想をいえば、まったく洗わないで使うのが望ましいのです。
水で洗うと、その分だけB群がなくなってしまうからです。といっても、まったく洗わないわけにはいかないでしょうから、水を入れたらサッとかき回し、ホコリを洗い流す程度にしましょう。
白米も同様です。おいしく食べるためにはとぎ洗いを繰り返すほどよいのですが、ビタミンのためにはとぐのはほどほどにします。
とぎ洗いをすると、B1が23~24% 、炊き上がりでは75~80% も失われてしまいます。
白米もB群の補給源、たいせつに扱いましょう。

ビタミンCの摂取7つのポイント

最初に、ビタミンC の性質を踏まえて、むだなく取るための調理法を紹介します。ビタミンCは、その作用や効能から不足することがないようにしましょう。

  1. ゆでるときには、アルカリ性の重曹を使わず、たっぶりの熱湯で少しずつサッとゆで上げる。アク抜きも冷水で手早く。
  2. 水に長くつけておくほどビタミンCは失われてしまいます。

  3. 野菜は煮るよりも油いためのほうが、C の損失率が少ない。
  4. 煮汁やいため汁もいっしょに取る。
  5. ビタミンCは煮汁やいため汁に溶け出しているから、いっしょに取るようにします。スープやシチューにする、煮汁でおじやをつくる、いため汁は片栗粉を水で溶いて加え、材料にからめるなどの工夫をします。

  6. 調理は食べる直前にし、温め直すなどは、なるべく避ける。
  7. 加熱によって失う分はしかたがないとしても、そのまま冷ますと空気中の酸素が煮汁に溶け込み、煮汁中のビタミンCが酸化されてしまいます。酸化されたCは、壊れやすくなっているので、温め直すと、熱によりほとんど壊れてしまいます。

  8. 緑の濃い野菜で取る
  9. 緑の野菜に含まれている葉緑素は、ビタミンCが腸から吸収されるのを助けます。モルモットを使った実験では、ビタミンCと葉緑素をいっしょに与えると、ビタミンC単独の時比べ、2倍の効果があることがわかっています。

  10. 旬の野菜を新鮮なうちに使う。
  11. 季節はずれの野菜は、ハウス栽培でつくられたもので、旬の出盛りのものに比べるとビタミンCの含有量は少ないといわれます。また、C を含めて水溶性のビタミンは日がたつにつれてどんどん減少してしまうので、なるべく早めに食べます。

  12. 酸のある食品と調理する。
  13. ビタミンC はアルカリに弱い性質ですが、酸があると壊れにくくなるので、野菜は、トマトや柑橘類といっしょに調理するのもよい方法です。

1~4、6にの項目についてはビタミンB群にも当てはまります。このような基本以外にも、注意したいことが少しあります。
ビタミンCを壊すアスコルビン酸オキシターゼという酵素を含む食品があります。にんじん、きゅうり、かぼちゃなどです。これらの食品をうっかり生のまま混ぜてしまうと、いくらビタミンC の豊富な食品を取っても、かんじんのビタミンCは酸化して、ビタミンとしての効力を失ってしまうので要注意です。
にんじんなどとは、生のまま混ぜ合わせないようにするのが第一の対策。もし、混ぜ合わせるのなら、にんじんやきゅうりなどに一度熱湯をかけたり、加熱したりするか、酢やレモン汁を加えて酸性にして使います。これで、アスコルビン酸オキシターゼは働かなくなります。大根とにんじんをいっしょにおろす、もみじおろしなどは、ついうっかりつくってしまいそうなので注意します。

干ししいたけでビタミンDを取るなら天日乾燥のものを

ビタミンD は、水に溶けないし、熱にも強いので、特別な摂取上の注意はありません。イワシ、カツオ、サンマ、あるいは干ししいたけを取っていれば問題はありません。
ただ、もし干ししいたけでビタミンD を取ることを考えているのならば、その干ししいたけが天日乾燥か機械乾燥かは、チェックします。
お店の人にたずねれば教えてくれるはずです。干ししいたけにたっぶりとビタミンDが含まれているのは、あくまでも天日乾燥の場合です。昨今、多くなった機械乾燥では、そういうわけにはいきません。干ししいたけのビタミンD は、生のしいたけに含まれているエルゴステロールというビタミンD 前駆体が、よって変化したものです。紫外線を浴びない機械乾燥では、Dのできようがありません。
こちらの記事「キノコの食物繊維キング(干ししいたけ)」も参考になります。

ビタミンEを含む植物油は新しいものを生で摂る

ビタミンE は、B1と組み合わせて取ることで、単独で取る以上の効力を発揮しますが、それ以外の注意点です。
ビタミンE は、植物性の油から取ることが推奨されますが、その植物油は良質であること、開栓後それほど日数がたっていないことが基本条件です。
植物油には不飽和脂肪酸が含まれているので、開栓後、日数の経過とともに酸化されて、体に有害な過酸化脂質ができます。
一度使って何日かたった油、日光に当たった油なども同様です。植物油は生で取ること。サラダドレッシングなどで使うとよいでしょう。
油は加熱すると酸化しやすくなります。酸化されるとビタミンEは壊れ、過酸化脂質ができます。
生のほうがビタミンEを有効に生かせます。
ビタミンE は、鉄分にあうと、それと反応して酸化されて効力を牛つてしまいます。鉄分の多い貝類などといっしょに調理したり、鉄製のなべなどを使うのは避けます。

妊娠中、薬剤服用中はビタミン不足にならないように

妊娠中、授乳中の女性は

妊娠というと、鉄分やカルシウムばかりが関心を呼びますが、ビタミンの補給も重要です。

ビタミンDが不足すると胎児の骨の成長に影響が出る

妊娠している時期、授乳期には、他のすべての栄養素と同様、ビタミンも必要量が増加します。
極端に所要量が増えるビタミンD は「骨のビタミン」 で、カルシウムの代謝に関係します。子どもの体の基本である骨の成長にはカルシウムを豊富に必要とする胎児期、さらに骨が急速に成長する乳児期には、大量のビタミンDが必要となります。

鉄分を多く取るほどビタミンCも必要

妊娠中、母体は多量の鉄分を必要とします。胎児の赤血球をつくるのに使われるからです。母体自身の血液量も増えるので、その分の鉄分も必要となります。このため、妊娠中や授乳中はふだんより多めに鉄分を取ることになります。
この鉄分の吸収にビタミンCが必要です。鉄分を多く取るほどビタミンCの必要量も比例して増加するため、ふだんより多めに摂取します。

妊娠中、授乳中にビタミンCを多めに取る理由は、このほかにもいくつかあります。ひとつは、妊娠していることが母体にとってはストレスの一種だからという考え方です。ストレスに対抗するにはビタミンC を大量に必要とします。流産や早産、死産を防ぐため、あるいはお産を軽くするため、といった理由で、ビタミンC の大量摂取を勧める考え方もあります。
モルモットの実験では、妊娠中にビタミンC を欠乏させると、流産や早産、死産が起こった、というデータが確認されています。また、出産直前にビタミンC を注射するとお産が軽くなる、というデータも確認されています。

ビタミンB6、B12、葉酸、ビタミンKの補給も十分に

所要量が特に決められていないビタミンでも、妊娠中・授乳中は多めに摂取します。特にビタミンB12 と葉酸は、不足しないように注意します。
B12 と葉酸が不足すると、赤血球の成熟に異常が生じます。
「不足しないように」というよりもっと積極的な意味合いから、ビタミンB12を多めに取ります。妊娠前期のつわりを軽くする働きがあるからです。
妊娠中は、アミノ酸の一種であるトリプトファンという物質の代謝がスムーズに行われなくなります。代謝異常の程度は、尿中のキサンツレン酸という物質を測定することによってわかります。つわりがひどい人や妊娠中毒症の人の尿には、このキサンツレン酸が多量に含まれていますが、B12の投与によって、この測定値が減少し、トリプトファンの代謝異常が改善されたという報告があります。
これにより、つわりや妊娠中毒症の症状は軽くなります。最近になって、新生児の脳内出血の一因として、ビタミンKの欠乏がクローズアップされています。
妊娠中は、緑色野菜、レバー、海草などを十分取るようにしましょう。

お腹いっぱい薬を飲んでいる

日本人は薬好きの国民といわれます。薬局には数えきれないほど多種類の薬が売られていて、体調によって自由に選ぶことができますが、薬漬けのようになっては大変です。

アスピリンの服用はビタミンCの排泄量を増やす

薬は、体内のビタミンに悪影響を及ぼします。ビタミンの吸収を阻害したり、利用しにくくしたり、あるいはビタミンの排泄量を高めたりします。
こうした状態が長期にわたって続けば、欠乏症になります。どんな薬がどのビタミンに影響するかは、おおよそわかっています。
かぜ薬や痛み止めによく使われるアスピリンは、ビタミンCの体外排泄量を高めます。アスピリンを飲むと、ふだんの三~五倍のビタミンC が体外へ排出されてしまいます。このことは、動物実験でも確かめられていてネズミに薬物を投与して尿中のビタミンC を測定すると、投与しないネズミに比べて3~10倍になるという結果が出ています。また、アスピリンは、葉酸の欠乏症を起こすともいわれています。

抗生物質はビタミンB2を不足させる

オーレオマイシン、テラマイシン、アクロマイシンなど、化膿止めやかぜ薬としてよく使われる抗生物質は、ビタミンB2の欠乏症状とて、舌炎、口唇炎、口内炎を起こすことがあります。B2以外にも、ビタミンB6やKの欠乏をもたらすともいわれます。その他、抗結核剤のイソニアジド、降圧利尿剤は鉄の欠乏をもたらすことが知られています。
これらの薬を長期間服用している人は、不足する可能性があるビタミンの補給を心がけておくとよいでしょう。

ビタミンパワーを最大限に高める摂取法

摂取方法により異なる

健康維持、あるいはもっと健康になるためにビタミンを取るのであれば、体内のビタミン濃度がつねに高くなるように取るのが理想です。
その取り方は、ビタミンが脂溶性か水溶性かによっても異なります。
まず、ビタミンAビタミンD、ビタミンE、ビタミンKは脂溶性ですから、体内に蓄えられます。一度に大量に取ったとしても、利用されなかった分は体内に残っていて、そのビタミンの血中濃度が下がると再利用されます。いわゆる「飲みだめ」が可能です。
とはいえ、いいかげんな間隔で大量に飲めばいい、ということはできません。過剰症の心配もありますから闇雲に大量に摂取すれば体の不調を招くことになります。
その点、ビタミンE は過剰症の心配はありませんが、それでも、できれば他のビタミンと同じような形で取るほうが手間がかかりません。とすれば、脂溶性のビタミンは1日1回、あるいは2日に1 回の間隔で適当な量を取るようにします。食品から取る場合でも、ビタミン剤を使う場合でも同様です。
一方、ビタミンB群やビタミンCなど水溶性のビタミンは、体内に蓄積させる「飲みだめ」ができません。
ビタミンは、腸から吸収されるとき、ATP( アデノシン三リン酸) からエネルギーをもらって濃度の高いほうから低いほうへ運ばれます。これを能動輸送といいますが、この場合、一度に吸収される量にはかぎりがあります。
あまり一度に大量に取ると、かえって吸収率が低下してしまいます。また、吸収されて血液中に溶け込んだとしても、細胞の中に取り込まれなかった分は利用されないままに腎臓から尿中へ排泄されます。
ですから、B群やCは、一度に大量に飲むようなことをせず、1日3~4回ぐらいに分けて適量を摂取する方法が体のためになります。
1回の量は、すべて吸収され、すべて有効に利用される量であれば、少しのむほうがよく理想的です。それに少しでも近づくためには、飽和量を参考にして1日の総摂取量を決め、それを3~4回分に分けるのがおすすめです。

飲むタイミングが重要

ビタミンを取るタイミングは、ビタミン摂取による効果を上げることができるかどうかを大きく左右します。
健康維持のためのふだんの摂取は別として、スポーツをする、徹夜仕事が重なる、力仕事をする、精神的につらい状態が続くなど、特殊な状況がある場合、その前に取るか、後に取るかは効力と深く関係します。
たとえば、スポーツをする場合にどうしたらよいか考えてみましょう。スポーツを始めると、ブドウ糖やグリコーゲンなどの炭水化物が体を働かすためのエネルギーに転換します。さらに、スポーツを続けていると、まず脂肪が、次にタンパク質がエネルギー源として代謝されます。この過程で、ビタミンB1、B2、ニコチン酸、パントテン酸、B6などB群が必要です。つまり、B群の必要性が高いのは、スポーツをしている最中なのです。
ですから、スポーツの前にビタミンB群をたっぶり取って、スポーツのときには体中がビタミンB群で満たされているといった状態にすることがポイントです。エネルギー代謝を高めるといった点では、スポーツ後にB群を取っても意味がありません。スポーツというストレスに負けないように取るビタミンCも同じこと。ストレスがかかっている最中に合成される副腎皮質ホルモンには大量のビタミンC が必要ですから、B群と同様、ビタミンCもスポーツ前に十分に取っておくことにします。
スポーツの後にもBlとCを取るとよいのですが、この場合には、摂取の理由がスポーツ前と違います。B1を取るのは、体内にたまった乳酸という疲労物質を取り除くためです。ビタミンCを取るのは、疲労を回復させるためです。
接待などで大量の洒を飲むことがわかっているときには、あらかじめ、アルコールの分解をスムーズにするニコチン酸を補給しておきます。
また、アルコールが分解される途中でできるアセトアルデヒドという有害物質を分解するのには、ビタミンC が欠かせません。
ビタミンC は、接待の席での精神的ストレスに対する対応を強める働きもするので、ニコチン酸と同様、酒の前にたっぶりと取っておくようにします。

このように、ビタミンは、それが必要とされるときに十分に体内にあることが有効利用の第一の条件です。同じ理由で、ふだんビタミンを取るのも、夜よりは朝のほうがよいのは、日中のほうが代謝が盛んになるからです。ここで注意しなくてはならないのは、ビタミンの種類によって効きめが現れるまでの時間が違うことです。一般に、体に蓄積のきく脂溶性ビタミンは、水溶性ビタミンよりも効きめの現れ方は早いとされています。水溶性のビタミンは、そのときに必要なだけ利用されて、それ以外は排泄されてしまい、体内に蓄積されないからです。
ただし、ビタミンC は例外です。ビタミンC は、水溶性であるのにかかわらず即効性があります。疲れのひどいとき、二日酔いのとき、スポーツ後などにビタミンC を取れば、早く回復します。なお、脂溶性にしては効果がなかなか現れないように見えるのがビタミンE です。ビタミンEは、他のビタミンと違い、抗酸化作用という間接的な働きを通じて体に影響を及ぼすので、ビタミンE自体の直接的な効果はわかりにくいからです。

相乗効果

ビタミンは、ひとつの食品に各種のものが含まれています。ビタミンは、食品で取るのが基本とされるのは、一度に各種のビタミンを取ることによる相乗効果が期待できるからです。ビタミン相互の相乗効果には、わかっていない点もたくさんありますが、今のところ、次のようなことがわかっています。

ビタミンA、C、E は、いっしょに取ると効力アップ

ビタミンA、C、E の3つは、それぞれが酸化を抑制する作用を持っているので、お互いに酸化による変質を防ぎながら働きを補い合って、単独に取る以上の力を発揮します。A と他の関係を例にして、少しくわしく説明しましょう。
化学構造を見ると、ビタミンAには、二重結合がたくさんあります。ということは、変化しやすく、酸素と結びついて酸化しやすいことを示しています。酸化したビタミンA は、吸収されにくくなると同時に、吸収後も効力を発揮できなくなっています。、ところが、ビタミンEといっしょに取ると、ビタミンAは酸化しません。ビタミンA と同じように二重結合が多いビタミンEは、ビタミンA以上に酸素と結びつく力が強いために、ビタミンAより先に酸化されてしまい、そのおかげでビタミンAは酸化しないですみ、効果も減少しないのです。

高血圧にはビタミンEとビタミンCで効力を発揮

高血圧や動脈硬化の予防にはビタミンEの抗酸化作用が力を発揮しますが、このとき、同時にビタミンCを取ると、予防効果はいっそう上がります。すでに述べたように、ビタミンCは、コラーゲンの生成を促すので、C摂取によって血管壁の細胞と細胞の結びつきが強くなります。つまり、血管の内壁が傷つきにくくなります。この結果、動脈硬化も起こりにくくなります。

ビタミンB群は抱合的に摂取

炭水化物、脂肪、タンパク質は、体内で分解されるときにエネルギーを出します。この過程に、B 群のすべてのビタミンが、なんらかの形で関係しています。どれかひとつが欠けても、エネルギー代謝はスムーズに行われなくなります。
ですから、ビタミンB群は、B1B2をはじめパントテン酸、ニコチン酸などをすべて同時に取る必要があります。それには、レバーや酵母、卵黄、肉類などが適しています。ビタミン剤としては、「B・コンプレックス(複合体)]
があります。

ビタミンEとB2で抗酸化作用が4倍になる

ビタミンEにもB3にも酸化を抑える作用がありますが、この2つを同時に取ると、その作用がより一層強化されます。ビタミン とB2を10対1の割合でいっしょに用いると、過酸化脂質生成の抑制率は約80% にもなり、ビタミンEあるいはビタミンB2単独の抑制率を大きく上回ることも確認されています。10対1の割合を厳密に守らないまでも、ビタミンE を取るときにはB2もいっしょに取るのがいいでしょう。

ビタミンCはビタミンPとの摂取がよい

ビタミンC の働きは、ビタミンP によって強化されることがわかっており、ビタミンP は、「ビタミンC 強化因子」とも呼ばれています。

甘いものが大好きな人のビタミン摂取術

疲れたときには甘いものがほしくなります。糖質は、脂肪やタンパク質よりもエネルギーになりやすいので、体が要求するのですが、いつも甘いものを大量に食べているとなるといおろんな問題が起きるので注意しなければなりません。

糖質の代謝にビタミンB2が使われる

日本人の砂糖の消費量は、戦後、急カーブを描いて上昇しています。国民一人当たりの年間平均消費量を見ると、1955年と1980年を比べると2倍に急増しています。
1980年では、年間24kg摂取しているデータがありますが、これは、1日平均では66gです。これは、角砂糖(1個3.5gとして) にすると19個分に当たるのですから、かなりの量です。
甘党の人は、無意識のうちに1日100g程度取っている人もいます。
最近、「砂糖の取り過ぎ」がいわれ、砂糖を糖尿病や心臓病など成人病の元凶のひとつとする見方もあります。
砂糖の適正な摂取量には定説がないので、どの程度取れば害があるのかわかりませんが、甘党の人は、そうでない人に比べてビタミンB1が不足しやすいことは確かです。
糖質がエネルギーに転化するにはビタミンB1が必要です。体内に入ってくる糖質が多いほどB1の消費量は大きくなります。それを補うだけのB1を取っていなければ、不足してしまいます。甘党の人は、ピタミンB1を普通の人の1.5倍から2倍ぐらいは取るように心がけたほうがよいでしょう。

糖尿病ならビタミンB6を摂取

糖尿病が不安ならば、レバーやイワシ、ナッツ、くるみなどによってビタミンB6を取るようにします。
糖尿病は、膵臓から分泌されるインスリンというホルモンの異常が原因で起こる病気です。
インスリンの異常にもいろいろありますが、そのひとつがインスリンとキサンチンの結合によるインスリンの活性低下です。キサンテンは、トリプトファン(アミノ酸の一種) の代謝異常によってできる物質ですが、ビタミンB6は、このトリプトファンの代謝を正常にする働きがあるのでキサンチンの生成を減らします。つまり、ビタミンB6を十分に取っていれば、トリプトファン代謝は正常に保たれるので、糖尿病を起こす原因のひとつは
取り除くことができます。

お酒の席が多い人のビタミン摂取術

After 5の一杯、つき合い酒、接待酒とビジネス社会ではアルコールが契約の大きなきっかけになるケースが多々あります。もともと好きな人なら、つい度を越えて飲みがちなもの。肝臓の心配に合わせて、ビタミンのことも考慮します。

ビタミンB1をはじめとしてB群が不足しやすい

アルコール好きな人がビタミン不足になるとすれば、その原因のひとつは、きわめて単純です。つまり、お酒ばかり飲んでいて栄養バランスのとれた食事をしないために全体にビタミンが不足してしまう、といったことです。特に、不足しがちなのがビタミンB1です。ウサギを使った実験で、アルコールを与えると血中B1濃度が低下することが確認されています。
最近では、食生活は乱れ酒ばかり飲んで、食事は、インスタント食品という独身男性に脚気(B1欠乏症) が見られたり、日本では少なかったウェルニッケ脳症(B1欠乏が原因で起こる脳障害) が報告されたりしています。
ビタミンB1が不足するのは、肝臓でアルコールが分解される過程でB1が消費されるからです。
また、アルコール代謝の過程でできるアセトアルデヒドという有害物質を分解するのにもB1が使われます。食物から取れるBlが減るうえに、体内での消費量が増えるのですから、B1不足になるのは当然の結果といえます。ふだん酒量の多い人は、B1を一日2~3mgぐらいは取るようにします。
もちろん、酒量をある程度減らすこと、食事をきちんと取ることは、ビタミンを補給する以前の問題です。
ビタミンB2、コリン、ニコチン酸、B12など、Bl以外のB 群も積極的に取ること。レバーや卵黄、ピーナッツなどを酒のさかなにすれば、自然にビタミンB群を補給できます。B群が十分にあればアルコールの代謝をよくし、肝臓の負担が軽くなります。アルコール常飲者に多い脂肪肝(肝臓に脂肪が異常に沈着する病気) を防ぐことにも効果があります。

二日酔いを防ぐには十分な水分摂取も大切です。
悪酔い、二日酔いを避ける水の飲み方が参考になります。

ヘビースモーカーはビタミンB2、ビタミンCを意識して摂取する

「百害あって一利なし」が常識となったせいか、最近は喫煙率が急速に下がっているようですが、それでもまだまだ「やめられない」人は多いのが現状です。また、喫煙年数が長くなればなるほど、やめるときのエネルギーは大きくなります。タバコを1日に1箱吸う人は、吸わない人の40倍もビタミンCが消費されてしまうのです。

タバコ1本で25mgのビタミンCが消失

喫煙で損なわれるのはビタミンCです。それも紙巻きタバコ1本で25mgという量ですが、100mgも破壊されるという専門家もいるほどです。1日20本も吸うヘビースモーカーなら、極端にいえば2g、つまり所要量(50mg)の40倍もビタミンCを消失してしまうことになります。1日2~3箱も吸ってしまうチェーンスモーカーなら…です。仕事が忙しく、常にたばこを加えていないと落ち着かない人はかなり多いのです。
また、自分がタバコを吸っていることを意識しないで火をつけてしまうのは神経質な日本人に多いのです。

単純計算ではいかないにしても、ビタミンCが多量に失われることは確かで、ほかにも報告があります。カナダの食品局が行った調査では、タバコを吸わない人に比べると、1日20本以上吸う人は40% 、1日20本以下の人でも25%も血中ビタミンC濃度が低いことがわかりました。

1日1箱吸っている人に、毎日1gのビタミンCを与えても、血液中のビタミンC濃度は、タバコを吸わない人の水準までいかないという報告もあります。また、食事から同程度のビタミンCを摂っていても、喫煙者は非喫煙者より30%もC濃度が低いという報告もあります。

なぜ、タバコを吸うとビタミンCが損なわれるのかはよくわかっていませんが、タバコを吸う人はビタミンCを多めに摂るほうがよいこと、本数が多い人ほど多量に必要なことなどは、もはやいうまでもないでしょう。
ビタミンCが多く含まれる食品

女性はB2不足に注意

タバコの煙にはシアン化水素という有害物質が含まれています。この物質を処理するのにビタミンB2が使われるので、タバコを吸う人には、このビタミンが不足しがちです。ビタミンCとともにビタミンB2の補給も必要です。妊娠中、あるいはこれから赤ちゃんをつくる女性にとって、喫煙によるB2の不足はぜひ避けたいものです。タバコを吸う女性から生まれた赤ちゃんに発育不良や未熟児が多い原因のひとつとして、ビタミン不足が考えられているからです。
ビタミンB2を多く含む食品

喫煙者の味覚異常を防ぐ緑黄色野菜

ヘビースモーカーのほとんどが、自分でも気づかないうちに徐々に味覚が狂っているといいます。これは、タバコの刺激が口の中の粘膜を荒らし、舌の味覚を鈍くしているのです。次の項目で自分の味覚異常をチェックしてみましょう。

  1. 全体的に薄い味より濃い味が好き。
  2. 麺類のスープは全部飲み干す。
  3. 麺類にはコショウや唐辛子をふりかけるのが当たりまえ。
  4. 味つけされているおかずに塩や醤油をかける。
  5. ほうれん草、小松菜、白菜などの味の違いがわからない。
  6. 野菜を食べるのは1日に1回以下。
  7. タバスコやカレーなど、激辛なものが大好き。
  8. コーヒー・紅茶には、必ず砂糖をスプーン1杯以上入れる。

以上の項目で、5つ以上該当すると完全な味覚異常、2つ~4つが予備軍となります。

味覚異常は、激辛ブームと関連しています。味が濃いものや辛いものばかり好んで食べていると、食べもの自体の味がわからなくなったり、薄味では物足りなく感じて食べられないようになってしまいます。また、味覚が狂ってしまっているので、野菜を苦く感じるようになったりもします。

緑黄色野菜を多く摂取することで、のどや肺の粘膜を強くし、細胞の新陳代謝が活発になります。緑黄色野菜には、ビタミンA、B、C、E、食物繊維、そして、味覚異常を改善する亜鉛も含まれているので、毎食1品は食べたいところです。それも、サラダではなく、おひたしや炒めものにして食べるのがよいです。

日頃、ウォーキングやスポーツをする人

激しい運動をするとエネルギーの消費量が多くなります。注意しないとビタミンの不足をきたしてきます。ビタミンが不足すると耐久力に影響してきますので、特に真夏の炎天下でスポーツをしたり、重労働をするときは、ビタミンB群、ビタミンCを意識してしっかり摂取するようにします。

体を動かす前にビタミンB群を摂取

体を動かすエネルギーは、炭水化物や脂肪の代謝によって得られますが、このとき、ビタミンB1、B2、ナイアシン、パントテン酸などが必要です。激しい運動をするほど必要量は高まり、つまりは消費量が大きくなります。
部活動の学生人に対して、激しい練習の前後の血中ビタミンB1値を調べたところ、大半に練習後のB1値低下が見られた、という実験結果が出ています。
これらのビタミンは運動中にどんどん消費されるので、不足しないようにするには、体を動かす前に十分に摂取しておくのが理想です。

激しい運動をする人に必要なビタミンB1の量は、次のように計算して目安とします。1mg(普通の人の1日の摂取量)+ 1000kclaにつき0.5mg。たとえば、屋外などで重労働をする人に必要な総エネルギーは3300kcla前後ですから、先の式で計算すれば約2.7mgになります。

きつい労働や激しい運動もストレス

激しい運動は、体にとってはストレスになります。ストレスがかかれば副腎皮質ホルモンが多量に分泌されて、同時に、ビタミンCの消費量も急激に高くなって不足気味になります。
運動後の尿や汗に含まれているビタミンCの量もふだんより多くなることが、消費量の増加を表しています。運動の前にビタミンC を100~150mgぐらい取れば十分です。よくプロスポーツ選手が、試合の合間にやっているように、レモンをかじるのもよい方法です。運動の後にもビタミンCをたっぶり補給しておくと、疲労回復が早くなります。

ダイエット中

ダイエット中に、エネルギーを極端に抑えようとすれば、ビタミンを十分に取りにくくなります。特に米飯やパンなどの穀類を制限すると、B1、B2が不足しがちになります。日本人は穀類からB11、B2を取る部分が大きいのです。
ビタミン剤などを上手に利用して、ダイエットの効果を失わずにB1、B2の補給をしましょう。
また、高エネルギー食品を減らそうとすると、必然的に植物性脂肪の摂取量も減りますが、植物性脂肪には、ビタミンEが豊富に含まれかいます。ビタミンE には、この過酸化脂質をできにくくする働きがあるので、ダイエット中は、特に十分に取るようにします。

ストレスが多い受験生や多忙なビジネスマンに必要なビタミン

激烈なビジネス戦線に受験戦線。現代人の中でも、とりわけ強いストレスを受けているのが、この二つの戦線の真っただ中にいる人たちです。戦いの最中につぶれないためには、どんなビタミンが必要なのでしょうか。

ストレスに対抗するためのビタミンCが大量に消費される

疲労や痛みなど、身体的なものであれ、不安やおそれなど精神的なものであれ、ストレスに対抗しようとして働くのは副腎です。ストレスを受けると、下垂体から副腎に信号が送られて副腎は盛んに副腎皮質ホルモンを合成し、分泌します。これによって血糖値を高め、エネルギーを増大させてストレスに対抗しようとする仕組みが働きます。

副腎皮質ホルモンが合成されるときには、ビタミンCが必須です。つまり、つねにストレスを受けている人は、それだけビタミンCを大量に消費しているのです。この状態が続けば、ビタミンCが不足してしまいます。専門家によるネズミを使って行った実験でも、ストレスに対抗するためにビタミンCの消費が高まることが確認されています。
ベルを5分鳴らした後、5分休む操作を4時間連続して行ったネズミの副腎の重さと、体内のビタミンCを調べた実験では、音によるストレスでも、ビタミンCは相当量減少するのです。
ビジネスマンや受験生は、日ごろから所要量の2~4倍、100~200mgぐらいを取るように心がけます。

ビタミンB1もストレスに効く

ビタミンCと並んで注意したいのは、B1をはじめとするB群です。ストレスとビタミンB群の関係についてはよくわかっていない点も多いのですが、動物実験では次のような結果が出ています。

  • ネズミに不快な音を5分おきに聞かせて、8時間後のネズミの脳の中を調べると、ビタミンB1が実験前の60% に減っていた。ビタミンB群を多く含んだえさを与えたネズミでは、B1の減り方はぐんと少ない。
  • 不快な音を聞かせると、葉酸欠乏のネズミは、正常なネズミに比べて落ち着きがなくなり、不安そうな動きを示した。

ストレスに負けないためには、ビタミンB群を十分に補給しておくことも必要です。B群の中でも、特にB1を重点的に、1日1.5~2mgぐらい取るようにします。現代人にはB1不足の傾向が見られることからも特に意識して摂取したほうがいいでしょう。

生活習慣で体内のビタミン量は変化する

最適なビタミンを補給する

ビタミンは種類によってそれぞれ働きが違います。ひとつのビタミンを必要とする反応が体内で活発に行われていれば、そのビタミンはそれだけたくさん消費されます。
消費量が多ければ、その分を補わなければ抵抗力が弱まり、いろいろと体に支障をきたします。
どんなビタミンを必要とする反応が活発なのかは、人によって、生活のしかたによって違います。そのへんをよく見極めて、ビタミンを補うことがたいせつです。
必要とするビタミンの種類も量も人によって異なるのがポイントです。
生活の中でどうしてもビタミンの吸収や利用に支障をきたすようなものを体内に取り入れていることがあります。
その代表的な例がタバコやお酒です。それらによって、どんなビタミンが不足気味になるのか。この点も考えなくてはならない問題です。
こうしたことを考慮に入れずに、ただやみくもにビタミンを補うことは、まったくのむだではないにしても、むだが多いことは確かです。むだな部分が体外に排出されるのならまだしも、体内に蓄積して過剰症になったりしたら困ります。

胃腸症状に必須のビタミンU

水溶性のビタミンで、熱には強い(140度が分解点)、白色の結晶性粉末です。別名抗潰瘍性ビタミンといわれるように、胃や十二指腸の潰瘍を治すビタミンとして知られています。ビタミンU の摂取により、胃や十二指腸の粘膜が強化され、潰瘍で皮がむけた状態になった部分が修復されて正常な状態にもどります。
テレビCMでよく目にするキャベジンなどはビタミンUが配合されています。ビタミンUは、体内でも合成されるため、意識して食品やサプリメントから 無理に摂取しなくても欠乏症になることはありません。