激しい運動をするとエネルギーの消費量が多くなります。注意しないとビタミンの不足をきたしてきます。ビタミンが不足すると耐久力に影響してきますので、特に真夏の炎天下でスポーツをしたり、重労働をするときは、ビタミンB群、ビタミンCを意識してしっかり摂取するようにします。
体を動かす前にビタミンB群を摂取
体を動かすエネルギーは、炭水化物や脂肪の代謝によって得られますが、このとき、ビタミンB1、B2、ナイアシン、パントテン酸などが必要です。激しい運動をするほど必要量は高まり、つまりは消費量が大きくなります。
部活動の学生人に対して、激しい練習の前後の血中ビタミンB1値を調べたところ、大半に練習後のB1値低下が見られた、という実験結果が出ています。
これらのビタミンは運動中にどんどん消費されるので、不足しないようにするには、体を動かす前に十分に摂取しておくのが理想です。
激しい運動をする人に必要なビタミンB1の量は、次のように計算して目安とします。1mg(普通の人の1日の摂取量)+ 1000kclaにつき0.5mg。たとえば、屋外などで重労働をする人に必要な総エネルギーは3300kcla前後ですから、先の式で計算すれば約2.7mgになります。
きつい労働や激しい運動もストレス
激しい運動は、体にとってはストレスになります。ストレスがかかれば副腎皮質ホルモンが多量に分泌されて、同時に、ビタミンCの消費量も急激に高くなって不足気味になります。
運動後の尿や汗に含まれているビタミンCの量もふだんより多くなることが、消費量の増加を表しています。運動の前にビタミンC を100~150mgぐらい取れば十分です。よくプロスポーツ選手が、試合の合間にやっているように、レモンをかじるのもよい方法です。運動の後にもビタミンCをたっぶり補給しておくと、疲労回復が早くなります。
ダイエット中
ダイエット中に、エネルギーを極端に抑えようとすれば、ビタミンを十分に取りにくくなります。特に米飯やパンなどの穀類を制限すると、B1、B2が不足しがちになります。日本人は穀類からB11、B2を取る部分が大きいのです。
ビタミン剤などを上手に利用して、ダイエットの効果を失わずにB1、B2の補給をしましょう。
また、高エネルギー食品を減らそうとすると、必然的に植物性脂肪の摂取量も減りますが、植物性脂肪には、ビタミンEが豊富に含まれかいます。ビタミンE には、この過酸化脂質をできにくくする働きがあるので、ダイエット中は、特に十分に取るようにします。