ビタミン別の効用と摂取方法など。症状別に摂取するビタミンの紹介も。

「ビタミンA」のガンに対する予防効果と作用

ガン予防としても注目されるビタミン

急増しているガンですが、これに対抗するビタミンとしてあげられるのがA、C、E の3つ。ACEと書いて、「エース」と読ませ、多少の願望を込めてガンエースでやっつける「切り札」というわけです。その一番手のAは、ほんとうにガン予防に効果があるのでしょうか?

ビタミンAの実力

ビタミンAがガン予防に効果があるのではないか、と考えられたのは、50年以上も前のことになります。
ある専門家がラットを使って実験をし、「ビタミンAを欠乏させたラットでは、上皮細胞ガン、特に胃ガンが発生しやすい」と報告しています。
上皮細胞とは、消化器、呼吸器、泌尿器、生殖器などの粘膜表面の細胞のことで、ビタミンAの働きと密接な関係があります。この実験を行った専門家は、当時はあまり注目されなかったそうですが、その後、この報告を裏づけるような報告が提出されています。
その主だったものをあげてみると、

  • ガンに侵された肝細胞のビタミンA 濃度は、正常な細胞の10分の1から1000分の1にまで低下していることがわかった。
  • 肝臓ガンの前ガン状態で、すでに、ビタミンA 濃度は大幅に低下していることが明らかになった。
  • ネズミを使った動物実験で、肺ガンを起こす発ガン物質を投与した場合、レチノイン酸(ビタミンAが酸化された物質) を投与したネズミでは、ビタミンA欠乏のネズミに比べて発ガン率が低い。

以上は、ビタミンA不足とガンの関連性を裏づける報告です。

では、ガンの予防効果、あるいは治療効果はどうでしょうか。

  • ビタミンAを豊富に含む緑黄色野菜を毎日たっぶり取っている喫煙者は、取り方の少ない喫煙者に比べて肺ガンの発生率が低い、という調査結果が発表された。
  • 悪性でない小さな膀胱腫瘍なら、レチノイン酸の投与によって縮小、消失した、と報告された。
  • 動物実験では、粘膜にできた初期のガンがビタミンAの投与により消失することが証明された。

こうした数々のデータから読みとれることは、ビタミンAが不足するとガンになりやすいこと。逆に、ビタミンA を十分に取っているとガンになりにくいこと、さらに、初期のガンはA の投与により縮小、消失することです。
つまり、ビタミンAは、ガンの予防、治療の武器となる可能性が大きい、ガン対策の決め手として有望である、ということです。けれども、その半面で、ビタミンAは、インターフェロン(ガンを抑制する物質) の合成を抑えてしまうという報告もあります。また、過剰症のこともあって人間には大量投与はむずかしいなど、ビタミンAの抱える特有の問題もいくつかあります。日々、研究は進められているにしても、現在ではまだガンの特効薬、予防薬と断言できず、今後の研究に待つ部分が大きいといえます。

ビタミンAの投与がガンに有効

ビタミンAによって、なぜ、ガンに対する予防効果、治療効果があるのかは、まだよく解明されていません。
人によって諸説ありますが、一般的にいわれているのは、ビタミンAの持つ、粘膜を正常にする働きがガン細胞に有効に働くのではないか、ということです。内臓粘膜は、絶えず粘液によって保護されています。
粘膜も粘液もコンドロイチン硫酸という物質が主成分で、この物質を合成するためには、ビタミンAが必須です。
ビタミンAが十分にあれば、コンドロイチン硫酸はどんどんつくられるので粘液ができ、粘膜の表面は絶えずたっぶりした粘液によって保護されています。
しかし、ビタミンAが不足すると、粘液の生産がときには半分以下にまで低下し、同時に、粘膜を覆っている上皮細胞も萎縮します。このため、粘膜は薄くはがれやすくなり、小さな衝撃でも傷つきやすくなります。細胞が傷ついたり、はがれ落ちたりした部分は、前ガン状態のときとよく似ていて、ここからはガンが発生しやすいのです。
このときビタミンAを投与すると、粘膜や粘液は再び正常にもどります。胃や肺、食道などのガンは粘膜の異常によるガンですから、ビタミンAの投与によってガンの予防、治療が行われるのではないか、と考えられるのです。
ガンは、

  1. 正常な細胞がある物質の影響を受けて傷ついた遺伝子を持つ変異細胞にる。
  2. この変異細胞に別のある物質が影響してガン細胞への変化を促進。
  3. ガン細胞が増殖していく。

という過程をたどります。
1の段階をイニシエーション(変異誘発)、2の段階をプロモーション(発ガン促進)、3の段階をプログレッション(ガン進行)といいます。
ビタミンA が、ガンによる異常を修復するのは、2の過程を長引かせ、その間であるとも考えられています。ほかに、ガンを直接攻撃するビタミンAの投与により、体の免疫能力が向上し、それによってガン細胞が弱体化する、ビタミンAが抗ガン剤をガン細胞によくしみ込ませる、どといった説もあります。

肝臓ガンについては別の考え方があります。ビタミンAが血流に乗って肝臓に入ったり、ときには、RBP (レチノール結合タンパク)体内を循環したりするという物質と結合しています。
もし、ビタミンAで肝臓をいっぱいにしておけば、Aと結合したRBPも肝臓に十分にあることになります。都合よいことには、このRBPは、肝臓ガンのもとになるタンパク質と互いに排除し合う関係にあります。つまり、日ごろからビタミンAを豊富に取っていれば、肝臓はいつもRBPで満たされているのでガンをつくるタンパク質は入る余地がなく、このために肝臓ガンが予防できるということになります。このように見てくると、ガンの予防、治療には、ビタミンAの摂取が有効といえそうです。が、残念なことに過剰症というネックがあって人間には大量投与はできないのです。

ビタミンAの過剰摂取による副作用

ガンは、誰にも恐ろしい病気ですが、だからといってビタミンAを大量に取り続けることは、大変に危険です。ビタミンAは脂溶性ですから、成人の1日の所要量を大幅に超える量を取り続けていると、不要な分が肝臓など体内に蓄積され、それが適正量を超えると、取り過ぎによる副作用(過剰症) が出てきます。
ビタミンAの過剰症の自覚症状は、食欲不振、頭痛、吐き気、かゆみ、脱毛、皮膚にフケのような小片がつく、くちびるが割れる、肝臓がはれる、神経が過敏になる、手足の骨が痛むなどです。ビタミンAの欠乏症とよく似ているので、なかには過剰症になっているのに、まだ不足していると思い込んでAの摂取を続けていたけていたというケースもあります。

ビタミンA剤や肝油を毎日飲んでいるときには、摂取量に注意すると同時にビタミンA欠乏症に似た症状が現れてこないか気をゆるめないようにします。
過剰症になるかどうかの目安は次のとおりです。
一度に30万IU〜40万IU を取ると急性の過剰症になります。(IUという単位は、国際的に決められた、重さではかりにくいビタミンのための単位で、主に脂溶性のビタミンに使われます)
また、一日に5万IU~7万IU-を1カ月以上継続して摂取すると、過剰症になることも覚えておきたいものです。

幼児の急性過剰症、腎臓病の人の慢性過剰症は、まま見られるので注意してください。
なお、妊娠している女性がビタミンAの過剰症になると、異常分娩を起こすことがあります。また、胎児の奇形も不安で、人間の例ではそれほど多くはありませんが、サルでは、多数のデータが報告されています。
ACEといわれるわりには、C やE に比べてAがあまり騒がれないのは、Aに以上のような過剰症の危険性があるためでです。
ガン予防に効くとはいっても、自分勝手に判断してAの大量摂取を続けることは避けましょう。ガンのことを心配するより先に、体を壊してしまいます。

過剰とは異なるビタミンAの危険

過剰症は心配だが、かといってA の持つ抗ガン作用はやはり捨てがたい。過剰症を起こさずに大量投与ができないものだろうか? 今、その可能性が多くの研究者によって模索されており、着々と成果を上げています。過剰症を起こさないようにするには、肝臓に蓄積されないことが条件です。そこで、注目されたのが、レチノイン酸(ビタミンA酸) という物質です。
レチノイン酸は、ビタミンAの合成体として発見されたもので、ビタミンAのひとつの種類ですが、肝臓に蓄積されないのです。
しかも、ビタミンAと同様の効果があるので、ガン抑制に一定の成果をおさめました。しかし、その後、レチノイン酸はA に比べると蓄積量はごく少ないものの、やはり中毒症状があるために、ガンの予防剤としては不適当とされました。代わって、レチノイン酸より有効で中毒性のないビタミンAの類似化合物の研究が進められています。いずれ近い将来には、過剰症のないビタミンA(あるいはその類似化合物) が開発されると期待せずにはいられません。

ビタミンAのまとめ

特徴

レチノールとカロチンを総称してビタミンAと呼びます。
脂溶性で油に溶けた形で摂取すると、体内での吸収率が高まります。余分のビタミンAは主に肝臓に貯蓄。

作用

目の感光色素の生成を促進し、胃腸や肺、生殖器、鼻、気管支なおdの粘膜を正常に保ち、健康な皮膚をつくる働きがあります。
成長促進作用も。

欠乏症

暗いところでの視力が落ちる夜盲症をはじめさまざまな視力の弊害が引き起こされます。
また、成長鈍化、皮膚のかさつき、細菌に対する抵抗力の低下なども見られます。

豊富に含む食品
  • 鶏肝臓
  • 牛肝臓
  • ウナギ(肝臓)
  • レバーペースト
  • マーガリン
  • ウナギ(生)
  • パセリ

ビタミンAを含む食品

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