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ビタミン を 無駄 なく少しでも 効率 よく摂取 するための知識

ビタミン を 無駄 なく少しでも 効率 よく摂取 するための知識 を紹介します。

ビタミンA は植物油で炒める

ビタミンA は、レチノールとカロチンに分かれます。レチノールは、ビタミンA の化学名ですから、いわばビタミンA そのもの。アユやウナギ、レバーに含まれていて、食べればそのまま吸収されます。

一方のカロチンは、ビタミンA の原料になる物質で、ほうれんそうやにんじん、植物の葉の葉緑体に多量に含まれています。

レチノールに比べると効力が低く、油に溶けた状態で取らないと、吸収率がいちじるしく低下します。

油に溶けていれば、小腸から吸収されてレチノールに変化します。こう考えてくると、よくいわれる「ほうれんそうやにんじんを食べれば ビタミンA が取れる」は間違いではありませんが、正確にいえば、「ほうれんそうやにんじんは、油といっしょに食べれば ビタミンA が取れる」になります。

いためた場合と、そうでない場合とでは吸収率が大きく異なります。たとえば、にんじんに含まれているカロチンの吸収率は、生だと 8 % ですが、煮ると 30 % 、油いためやバター煮、揚げ物にすると50~70% にまで上がります。

煮るだけで吸収率が上がるのは、加熱によって細胞膜が壊れ、カロチンが出てくるためです。加熱によりカロチンも壊れますが、その程度は 10 %  とわずかです。細胞膜が壊れてカロチンが出てくる割合のほうが大きいので、問題になりません。

ただし、いくら油に溶けた状態といっても、必ずしも油いためや揚げ物でなくともよいのです。胃の中でカロチンと油がいっしょになり、カロチンが油に溶けた状態になることがかんじんですから、にんじんやほうれんそうと、油のある食品やおかずを一度に食べても吸収率はよくなります。

このときに使う油にも健康増進のための気づかいをします。できればコーン油や綿実油、大豆油などの植物油を使うことをお勧めします。

植物油には ビタミンE がたっぶり含まれているので、ビタミンA が酸化されるのを防いでくれるからです。

ビタミンA を十分に取るには、以上のほかに良質のタンパク質を取ることも大切です。体内に入った ビタミンA は、小腸で吸収された後、血液中に入ってレチノール結合タンパク という物質と結合して肝臓まで運ばれます。

このうちの一部は肝臓に蓄えられ、、大部分は再びRBPと結合して血液中に入り、ビタミンA を必要とする組織に運ばれます。
RBP は膵臓でつくられる特殊なタンパク質です。もし、ビタミンA を十分に取っていても RBP が不足していれば、ビタミンA は全身に運ばれず、A不足になるのですから、RBP の原料となる良質のタンパク質を十分摂取することが必要なのです。

ついでにつけ加えれば、RBP の「製造工場」である肝臓のコンディションをよい状態に保つことも、ビタミンA 摂取の基本といえます。

ビタミンB群 は素速く 洗い サッと 煮る

ビタミンB群は水溶性のビタミンですから、ビタミンC 摂取の際と同ぜような注意が必要です。
ビタミンB群補給の最も重要なポイントは、天然の総合B剤やレバーを取ること、これにっきます。「においがいやで」という人は、調理を工夫をして、なんとかして食べられるようにしてほしいと思います。

B群のビタミンのうち注意して摂取しなくてはならないのは、水に溶けやすいうえに熱に弱いB1です。損失を最小限に抑えるために加熱時間もなるべく短縮します。
加熱後、水に浸さなければならないものも、浸す時間をできるだけ短くするのがポイントです。

ビタミンB 群を取るために、七分づき米、胚芽米、強化米などを使う場合には、米をなるべく洗わないこと。理想をいえば、まったく洗わないで使うのが望ましいのです。全く洗わないのは難しいのでさっと洗うようにします。

水で洗うと、その分だけB群がなくなってしまうからです。といっても、まったく洗わないわけにはいかないでしょうから、水を入れたらサッとかき回し、ホコリを洗い流す程度にしましょう。
白米も同様です。おいしく食べるためにはとぎ洗いを繰り返すほどよいのですが、ビタミンのためにはとぐのはほどほどにします。

とぎ洗いをすると、ビタミンB1 が 23 ~ 24 %  炊き上がりでは 75 ~ 80 % も失われてしまいます。
白米もB群の補給源、たいせつに扱いましょう。

ビタミンC の摂取 7 つのポイント

最初に、ビタミンC の性質を踏まえて、むだなく取るための調理法を紹介します。ビタミンC は、その作用や効能から不足することがないようにしましょう。

    1. ゆでるときには、アルカリ性の重曹を使わず、たっぶりの熱湯で少しずつサッとゆで上げる。アク抜きも冷水で手早く。

水に長くつけておくほど ビタミンC は失われてしまいます。

    1. 野菜は煮るよりも油いためのほうが、C の損失率が少ない。
    2. 煮汁やいため汁もいっしょに取る。

ビタミンC は煮汁やいため汁に溶け出しているから、いっしょに取るようにします。スープやシチューにする、煮汁でおじやをつくる、いため汁は片栗粉を水で溶いて加え、材料にからめるなどの工夫をします。

    1. 調理は食べる直前にし、温め直すなどは、なるべく避ける。

加熱によって失う分はしかたがないとしても、そのまま冷ますと空気中の酸素が煮汁に溶け込み、煮汁中の ビタミンC が酸化されてしまいます。酸化された ビタミンC は、壊れやすくなっているので、温め直すと、熱によりほとんど壊れてしまいます。

    1. 緑の濃い野菜で取る

緑の野菜に含まれている葉緑素は、ビタミンC が腸から吸収されるのを助けます。モルモットを使った実験では、ビタミンCと葉緑素をいっしょに与えると、ビタミンC 単独の時比べ、2倍の効果があることがわかっています。

    1. 旬の野菜を新鮮なうちに使う。

季節はずれの野菜は、ハウス栽培でつくられたもので、旬の出盛りのものに比べるとビタミンC の含有量は少ないといわれます。また、C を含めて水溶性のビタミンは日がたつにつれてどんどん減少してしまうので、なるべく早めに食べます。

    1. 酸のある食品と調理する。

ビタミンC はアルカリに弱い性質ですが、酸があると壊れにくくなるので、野菜は、トマトや柑橘類といっしょに調理するのもよい方法です。

1~4、6にの項目についてはビタミンB群にも当てはまります。このような基本以外にも、注意したいことが少しあります。

ビタミンC を壊すアスコルビン酸オキシターゼという酵素を含む食品があります。にんじん、きゅうり、かぼちゃなどです。これらの食品をうっかり生のまま混ぜてしまうと、いくらビタミンC の豊富な食品を取っても、かんじんの ビタミンC は酸化して、ビタミンとしての効力を失ってしまうので要注意です。

にんじんなどとは、生のまま混ぜ合わせないようにするのが第一の対策。もし、混ぜ合わせるのなら、にんじんやきゅうりなどに一度熱湯をかけたり、加熱したりするか、酢やレモン汁を加えて酸性にして使います。これで、アスコルビン酸オキシターゼは働かなくなります。大根とにんじんをいっしょにおろす、もみじおろしなどは、ついうっかりつくってしまいそうなので注意します。

干ししいたけで ビタミンD を取るなら天日乾燥のものを

ビタミンD は、水に溶けないし、熱にも強いので、特別な摂取上の注意はありません。イワシ、カツオ、サンマ、あるいは干ししいたけを取っていれば問題はありません。

ただ、もし干ししいたけで ビタミンD を取ることを考えているのならば、その干ししいたけが天日乾燥か機械乾燥かは、チェックします。

お店の人にたずねれば教えてくれるはずです。干ししいたけにたっぶりと ビタミンD が含まれているのは、あくまでも天日乾燥の場合です。

昨今、多くなった機械乾燥では、そういうわけにはいきません。干ししいたけのビタミンD は、生のしいたけに含まれているエルゴステロールというビタミンD 前駆体が、よって変化したものです。紫外線を浴びない機械乾燥では、Dのできようがありません。

こちらの記事「キノコの食物繊維キング(干ししいたけ)」も参考になります。

ビタミンEを含む植物油は新しいものを生で摂る

ビタミンE は、ビタミンB1 と組み合わせて取ることで、単独で取る以上の効力を発揮しますが、それ以外の注意点です。

ビタミンE は、植物性の油から取ることが推奨されますが、その植物油は良質であること、開栓後それほど日数がたっていないことが基本条件です。

植物油には不飽和脂肪酸が含まれているので、開栓後、日数の経過とともに酸化されて、体に有害な過酸化脂質ができます。
一度使って何日かたった油、日光に当たった油なども同様です。植物油は生で取ること。サラダドレッシングなどで使うとよいでしょう。
油は加熱すると酸化しやすくなります。酸化されるとビタミンEは壊れ、過酸化脂質ができます。
生のほうが ビタミンE を有効に生かせます。
ビタミンE は、鉄分にあうと、それと反応して酸化されて効力を牛つてしまいます。鉄分の多い貝類などといっしょに調理したり、鉄製のなべなどを使うのは避けます。

ビタミンの知識

妊娠中 薬剤 服用中は ビタミン 不足 にならないように

どうして 妊娠中 薬剤 服用中は ビタミン 不足 にならないように しなければいけないのでしょうか?

妊娠中 授乳中 の女性

妊娠中 薬剤 服用中は ビタミン 不足

妊娠中 薬剤 服用中は ビタミン 不足

妊娠というと、鉄分やカルシウムばかりが関心を呼びますが、ビタミン の補給も非常に重要です。

ビタミンD が 不足 すると胎児の骨の成長に影響が出る

妊娠している時期、授乳期には、他のすべての栄養素と同様、ビタミン も必要量が増加します。
極端に所要量が増える ビタミンD は「骨のビタミン」 で、カルシウムの代謝に関係します。子どもの体の基本である骨の成長にはカルシウムを豊富に必要とする胎児期、さらに骨が急速に成長する乳児期には、大量の ビタミンD が必要となります。

鉄分を多く取るほど ビタミンC も必要

妊娠中、母体は多量の鉄分を必要とします。胎児の赤血球をつくるのに使われるからです。母体自身の血液量も増えるので、その分の鉄分も必要となります。このため、妊娠中や授乳中はふだんより多めに鉄分を取ることになります。

この鉄分の吸収に ビタミンC が必要です。鉄分を多く取るほど ビタミンC の必要量も比例して増加するため、ふだんより多めに摂取します。

妊娠中、授乳中にビタミンCを多めに取る理由は、このほかにもいくつかあります。ひとつは、妊娠していることが母体にとってはストレスの一種だからという考え方です。

ストレスに対抗するにはビタミンC を大量に必要とします。流産や早産、死産を防ぐため、あるいはお産を軽くするため、といった理由で、ビタミンC の大量摂取を勧める考え方もあります。
モルモットの実験では、妊娠中にビタミンC を欠乏させると、流産や早産、死産が起こった、というデータが確認されています。また、出産直前に ビタミンC を注射するとお産が軽くなる、というデータも確認されています。

ビタミンB6 B12 葉酸 ビタミンK の補給も十分に

所要量が特に決められていないビタミンでも、妊娠中・授乳中は多めに摂取します。特に ビタミンB12 葉酸 は、不足しないように注意します。
B12 と葉酸 が不足すると、赤血球の成熟に異常が生じます。
「不足しないように」というよりもっと積極的な意味合いから ビタミンB12 を多めに取ります。妊娠前期のつわりを軽くする働きがあるからです。

妊娠中は、アミノ酸の一種であるトリプトファンという物質の代謝がスムーズに行われなくなります。代謝異常の程度は、尿中のキサンツレン酸という物質を測定することによってわかります。

つわりがひどい人や妊娠中毒症の人の尿には、このキサンツレン酸が多量に含まれていますが、B12 の投与によって、この測定値が減少し、トリプトファンの代謝異常が改善されたという報告があります。
これにより、つわりや妊娠中毒症の症状は軽くなります。最近になって、新生児の脳内出血の一因として、ビタミンKの欠乏がクローズアップされています。
妊娠中は、緑色野菜、レバー、海草などを十分取るようにしましょう。

お腹いっぱい薬を飲んでいる

日本人は薬好きの国民といわれます。薬局には数えきれないほど多種類の薬が売られていて、体調によって自由に選ぶことができますが、薬漬けのようになっては大変です。

アスピリンの服用はビタミンCの排泄量を増やす

薬は、体内のビタミンに悪影響を及ぼします。ビタミンの吸収を阻害したり、利用しにくくしたり、あるいはビタミンの排泄量を高めたりします。

こうした状態が長期にわたって続けば、欠乏症になります。どんな薬がどのビタミンに影響するかは、おおよそわかっています。

かぜ薬や痛み止めによく使われるアスピリンは、ビタミンC の体外排泄量を高めます。アスピリンを飲むと、ふだんの 3 ~5 倍の ビタミンC が体外へ排出されてしまいます。このことは、動物実験でも確かめられていてネズミに薬物を投与して尿中のビタミンC を測定すると、投与しないネズミに比べて 3 ~ 10 倍になるという結果が出ています。また、アスピリンは、葉酸の欠乏症を起こすともいわれています。

抗生物質は ビタミンB2 を不足させる

オーレオマイシン、テラマイシン、アクロマイシンなど、化膿止めやかぜ薬としてよく使われる抗生物質は、ビタミンB2 の欠乏症状とて、舌炎、口唇炎、口内炎を起こすことがあります。

B2 以外にも、ビタミンB6K の欠乏をもたらすともいわれます。その他、抗結核剤のイソニアジド、降圧利尿剤は鉄の欠乏をもたらすことが知られています。
これらの薬を長期間服用している人は、不足する可能性があるビタミンの補給を心がけておくとよいでしょう。

ビタミンの知識

ビタミンパワー を最大限に高める 摂取法

ビタミンパワー を最大限に高める 摂取法 を紹介します。健康維持、あるいはもっと健康になるためにビタミンを取るのであれば、体内のビタミン濃度がつねに高くなるように取るのが理想です。

ビタミンパワー 摂取方法により異なる

ビタミンパワー を最大限に高める 摂取法

ビタミンパワー を最大限に高める 摂取法

健康維持、あるいはもっと健康になるためにビタミンを取るのであれば、体内のビタミン濃度がつねに高くなるように取るのが理想です。

その取り方は、ビタミンが脂溶性か水溶性かによっても異なります。
まず

は脂溶性ですから、体内に蓄えられます。一度に大量に取ったとしても、利用されなかった分は体内に残っていて、そのビタミンの血中濃度が下がると再利用されます。いわゆる「飲みだめ」が可能です。

とはいえ、いいかげんな間隔で大量に飲めばいい、ということはできません。過剰症の心配もありますから闇雲に大量に摂取すれば体の不調を招くことになります。

その点 ビタミンE は過剰症の心配はありませんが、それでも、できれば他のビタミンと同じような形で取るほうが手間がかかりません。とすれば、脂溶性のビタミンは 1 日 1 回、あるいは 2 日に 1  回の間隔で適当な量を取るようにします。

食品から取る場合でも、ビタミン剤を使う場合でも同様です。一方、ビタミンB群や ビタミンC など水溶性のビタミンは、体内に蓄積させる「飲みだめ」ができません。

ビタミンは、腸から吸収されるとき ATP (  アデノシン三リン酸 )  からエネルギーをもらって濃度の高いほうから低いほうへ運ばれます。これを能動輸送といいますが、この場合、一度に吸収される量にはかぎりがあります。

あまり一度に大量に取ると、かえって吸収率が低下してしまいます。また、吸収されて血液中に溶け込んだとしても、細胞の中に取り込まれなかった分は利用されないままに腎臓から尿中へ排泄されます。
ですから、B群や ビタミンC は、一度に大量に飲むようなことをせず、1 日 3 ~ 4 回ぐらいに分けて適量を摂取する方法が体のためになります。
1 回の量は、すべて吸収され、すべて有効に利用される量であれば、少しのむほうがよく理想的です。それに少しでも近づくためには、飽和量を参考にして1日の総摂取量を決め、それを3~4回分に分けるのがおすすめです。

飲むタイミングが重要

ビタミンを取るタイミングは、ビタミン摂取による効果を上げることができるかどうかを大きく左右します。

健康維持のためのふだんの摂取は別として、スポーツをする、徹夜仕事が重なる、力仕事をする、精神的につらい状態が続くなど、特殊な状況がある場合、その前に取るか、後に取るかは効力と深く関係します。

たとえば、スポーツをする場合にどうしたらよいか考えてみましょう。スポーツを始めると、ブドウ糖やグリコーゲンなどの炭水化物が体を働かすためのエネルギーに転換します。さらに、スポーツを続けていると、まず脂肪が、次にタンパク質がエネルギー源として代謝されます。

この過程で、

  などB群が必要です。つまり、B群の必要性が高いのは、スポーツをしている最中なのです。
ですから、スポーツの前にビタミンB群をたっぶり取って、スポーツのときには体中がビタミンB群で満たされているといった状態にすることがポイントです。

エネルギー代謝を高めるといった点では、スポーツ後にB群を取っても意味がありません。スポーツというストレスに負けないように取るビタミンCも同じこと。ストレスがかかっている最中に合成される副腎皮質ホルモンには大量のビタミンC が必要ですから、B群と同様、ビタミンCもスポーツ前に十分に取っておくことにします。
スポーツの後にも ビタミンB1ビタミンC を取るとよいのですが、この場合には、摂取の理由がスポーツ前と違います。

BビタミンB1 を取るのは、体内にたまった乳酸という疲労物質を取り除くためです。ビタミンC を取るのは、疲労を回復させるためです。

接待などで大量の洒を飲むことがわかっているときには、あらかじめ、アルコールの分解をスムーズにするニコチン酸を補給しておきます。
また、アルコールが分解される途中でできるアセトアルデヒドという有害物質を分解するのには、ビタミンC が欠かせません。
ビタミンC は、接待の席での精神的ストレスに対する対応を強める働きもするので、ニコチン酸と同様、酒の前にたっぶりと取っておくようにします。

このように、ビタミンは、それが必要とされるときに十分に体内にあることが有効利用の第一の条件です。

同じ理由で、ふだんビタミンを取るのも、夜よりは朝のほうがよいのは、日中のほうが代謝が盛んになるからです。ここで注意しなくてはならないのは、ビタミンの種類によって効きめが現れるまでの時間が違うことです。

一般に、体に蓄積のきく脂溶性ビタミンは、水溶性ビタミンよりも効きめの現れ方は早いとされています。水溶性のビタミンは、そのときに必要なだけ利用されて、それ以外は排泄されてしまい、体内に蓄積されないからです。

ただし、ビタミンC は例外です。ビタミンC は、水溶性であるのにかかわらず即効性があります。疲れのひどいとき、二日酔いのとき、スポーツ後などに ビタミンC を取れば、早く回復します。なお、脂溶性にしては効果がなかなか現れないように見えるのが ビタミンE です。ビタミンEは、他のビタミンと違い、抗酸化作用という間接的な働きを通じて体に影響を及ぼすので、ビタミンE自体の直接的な効果はわかりにくいからです。

相乗効果

ビタミンは、ひとつの食品に各種のものが含まれています。ビタミンは、食品で取るのが基本とされるのは、一度に各種のビタミンを取ることによる相乗効果が期待できるからです。ビタミン相互の相乗効果には、わかっていない点もたくさんありますが、今のところ、次のようなことがわかっています。

ビタミンA ビタミンC ビタミンE は、いっしょに取ると効力アップ

  1. ビタミンA
  2. ビタミンC
  3. ビタミンE

の 3 つは、それぞれが酸化を抑制する作用を持っているので、お互いに酸化による変質を防ぎながら働きを補い合って、単独に取る以上の力を発揮します。ビタミンA と他の関係を例にして、少しくわしく説明しましょう。

化学構造を見ると、ビタミンA には、二重結合がたくさんあります。ということは、変化しやすく、酸素と結びついて酸化しやすいことを示しています。酸化した ビタミンA は、吸収されにくくなると同時に、吸収後も効力を発揮できなくなっています。、

ところが、ビタミンEといっしょに取ると、ビタミンA は酸化しません。ビタミンA と同じように二重結合が多い ビタミンE は、ビタミンA 以上に酸素と結びつく力が強いために、ビタミンA より先に酸化されてしまい、そのおかげでビタミンA は酸化しないですみ、効果も減少しないのです。

高血圧には ビタミンE と ビタミンC で効力を発揮

高血圧や動脈硬化の予防には ビタミンE の抗酸化作用が力を発揮しますが、このとき、同時に ビタミンC を取ると、予防効果はいっそう上がります。

すでに述べたように、ビタミンC は、コラーゲンの生成を促すので、ビタミンC 摂取によって血管壁の細胞と細胞の結びつきが強くなります。つまり、血管の内壁が傷つきにくくなります。この結果、動脈硬化も起こりにくくなります。

ビタミンB群は抱合的に摂取

炭水化物、脂肪、タンパク質は、体内で分解されるときにエネルギーを出します。この過程に、B 群のすべてのビタミンが、なんらかの形で関係しています。どれかひとつが欠けても、エネルギー代謝はスムーズに行われなくなります。

ですから、ビタミンB群は、B1B2をはじめパントテン酸、ニコチン酸などをすべて同時に取る必要があります。それには、レバーや酵母、卵黄、肉類などが適しています。ビタミン剤としては、「B・コンプレックス(複合体)]
があります。

ビタミンE と ビタミンB2 で抗酸化作用が4倍になる

ビタミンE にもB3にも酸化を抑える作用がありますが、この 2 つを同時に取ると、その作用がより一層強化されます。

ビタミンEビタミンB2 を 10 対 1 の割合でいっしょに用いると、過酸化脂質生成の抑制率は約80 % にもなり、ビタミンE あるいはビタミンB2単独の抑制率を大きく上回ることも確認されています。10対1の割合を厳密に守らないまでも、ビタミンE を取るときには ビタミンB2 もいっしょに取るのがいいでしょう。

ビタミンCはビタミンPとの摂取がよい

ビタミンC の働きは、ビタミンP によって強化されることがわかっており、ビタミンP は、「ビタミンC 強化因子」とも呼ばれています。

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